鈴木常吉大阪ツアー報告。

10日は鉄道広告社社長室。
30人にも満たない満員の狭い空間が濃密な空気を醸すのか、
不思議な同族意識のようなものに満ちたライブだった。
1部は泊、2部は鈴木さん、3部は泊+鈴木常吉。
1部、2部も良かったけど、特筆すべきは3部か。

泊の武村さんのギターが奥行きを底なし沼のように広げ、
同じく泊の山田さんの口琴のようなコーラスが
歌を果てしない空間に投げ出すかのようだ。
「疫病の神」には、鳥肌が立った。
共感とかを感じるような歌詞ではないのに、
何故か丸裸にされた自分を見ているよな気分になる。
自分の人生に垂直にこの歌が立っているかのように感じた。

「石」では鈴木さんのライブには珍しく手拍子が出る。
この濃密な閉ざされた空間では共同体意識のようなものができるらしい。
客席には松井文さんや浜谷さん、チチ松村さんなど、
ミュージシャンの姿もチラホラ。
改めて、ミュージシャンにも尊敬されてるミュージシャンなんだなあ、
と感じる。

8時から始まったライブが終わったのは11時も過ぎる頃。
せっかく何かを共有した人たちと別れるのが寂しくなるようなライブだった。

12日は西九条から地下トンネルを越えた、九条商店街の近く、
雨の降る川べりの倉庫でのイベント。
廃れた風情がいい雰囲気。
全部で5グループの昼間からのイベントだ。
一応今年初のサマフェスということにしよう。
10日も来ていた浜谷さんが主催者らしい。
自分の好きな人に出てもらって、好きな場所で開くイベント。
大雨にも関わらず、満員。
嬉しいだろうな。
物販で来てたカレーもパンもめちゃくちゃうまい。
これも浜谷さんが呼んだんだろうな。
手作り感がとても心地よく、
あまり話したことないけど「いいヤツなんだろうな」と勝手に思った。

出演はちんどん通信社、コハク、ブラインド・ライト・アンサンブル、
えでぃ・まぁこん、鈴木常吉。
常吉さん以外は若いバンドが多く、
客層もいつもよりかなり若い感じだ。
その中では常吉さんに次ぐ高齢(すんません!)
と思われるチンドン通信社が、
すごく面白かった。
演奏技術の高さ、音楽ではなく「演芸」と言い切る姿勢、
ジャズとチンドンの接点、全て、合点が行く。
CD持ってたはずなので、もう一度、きちんと聞いてみよう。


他のバンドも、みんなうまくて、他にない味のあるバンドばかり、
ぜひ10年20年続けて、醸成させていって欲しいな、と思った。

そして、トリの鈴木常吉さん。
若い客たちも帰ることなく、
他の出演バンドの面々も興味深げに見ている。
珍しく立ったままの演奏だ。
改めて「背の高い人なんだなあ」と思う。
いつもよりぶっきらぼうに思えるのは、照れているのか。
しかし、メロディーラインを外れて、
そのままがなりに持っていくパンキッシュな歌い方は
いつもより激しい気もした。
10年以上演奏してる「鉛の兵隊」のリフを
一瞬忘れたのはご愛嬌か。
アンコール含め1時間以上、たっぷりやったあとは、
若い人に囲まれて、歓談。
いつもと変わらない話しっぷりなのが、いいなあ。

ぜひ続けて欲しいイベントだなあ。


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