京都展覧会三昧①〜③「森山大道」「アーネスト・コール」「ピーター・ヒューゴ」@京都市京セラ美術館。
この写真展はすべて「京都国際写真祭(KYOTO GRAPHIE)」の一環。
なので、3写真展、全て行くと割引がある。
もちろん、割引券、買いました。
まずは、一番初めに目についた森山大道さんの写真展に。







なんかすげえボリューム!
森山大道さんのキャリアスタートから今に至るまで、
網羅しようと、するかのような、半端ないボリューム。
なんかひとつ目からノックアウトされそうな気がする。
しかも、森山さんの写真は濃い。
何かを暴いている気がする。
暴いているのは、時代なのか、人間なのか、国家なのか。
見ただけでは、分からないものを、
写真として切り取ることで、暴いてる気がする。
切り取ることは、深く掘り下げることなのだ。
少なくとも、森山大道さんにおいては。
しかも、並べることで、その深さは、より深く、より広くなって行く。
こんだけまとめて見せられると、
芸術であると同時に「報道」でもあるのだなあ、と感じてしまう。
確かに、いいも悪いも含めて、ここには昭和戦後以降の日本の歴史が詰まっていた。
そして、それはワシの生きた時代と重なる。
「ワシの生きて来た時代は、こんな壮絶な時代だったのか」と、
ビックリするような気持ちになった。
しかし、森山大道さん一人で、このボリューム。
他の二人も、これくらいあるんやろか。
今日5つは、無理かもしれんな、と思いつつ、
次は、アーネスト・コールさんの写真展へ。
存じ上げなかったのだが、アパルトヘイトの時代の南アフリカで、
活動した黒人カメラマンだったそうだ。
ピーター・ヒューゴさんも南アフリカの写真家らしく、
二人の会場の入口には、
南アフリカについてのパネル展示があった。



ネルソン・マンデラさんの言葉が響く。
そういうどうにもならない困難な状況にこそ、
芸術が大切なのだということを考えつつ、
アーネスト・コールさんの会場へ。

入口が二つある。

どっちも行ってみたが、同じ場所につながっていた。
あとで分かったんやけど、これ、アパルトヘイトの頃、
常識やった白人専用入口と、有色人種用入口を再現したもんなんやな。
なるほど!ええ展示や!

会場、狭いけど、ようできてる。
写真の展示だけやなく、
アパルトヘイトの時代の南アフリカの状況が、
ようわかる展示になってる。
本当にようできた展示や!


南アフリカと言うと、ワシが中高生の頃、社会で習ったのは、
金とダイヤモンド。
つまり鉱山経営が経済の基本のような国だ。
そこでものすごく安い賃金で働かされていた黒人たち。
ほんまにボロボロの服着てるのに、
目が綺麗なのが印象的だった。


ひでえ話!
文章は、アーネスト・コールさんのものらしい。
文章も、分かりやすい、ええ文章やなあ。




驚くほど、徹底的に黒人を、人権のない、身を粉ににして働いて、
当たり前のものとして考えている。

教育も、黒人には白人の身の回りの世話ができる程度で十分、
それ以上は、しない方がええとでも言わんばかりの理論がまかり通っている。



でも、教科書も机椅子もない、そこで学ぶ子どもの目の強さ。

その学校からドロップアウトしてしまう子どもたちの行き着く場所は、
街中と決まっている。
何をし始めるかも、言わずもがな。



そんな時に、人を救うのは、酒だ。音楽だ。踊りだ。

知識としては知ってた、南アフリカのアパルトヘイトの凄まじさを、
初めてリアルに感じた気がした。
そんな中で、生きて行く人間に、ワシと同じような気持ちがあること、
本質的な人間にあるものが、感じられたのは、少しの希望だった。
アーネスト・コールさんは南アフリカの夜明けを待つことなく、
若くして亡くなられたそうだ。
でも、こういう人たちの少しずつの積み重ねが、
ネルソン・マンデラを迎え入れる土壌になって行ったのだと思う。
まだ、南アフリカの問題がすべて解決したわけではないが、
ネルソン・マンデラが、彼らにとって、どれほど、
希望に満ちた存在だったか、少し感じられた気がする。
さっき書いたけど、会場から出ようとした時、
この会場の入口が二つあることの意味を初めて分かって、
「あ!そういうことなのか!」と、声に出して言ってしまった。
近くにいた係の方が、「ありがとうございます。」と言ってくださった。
この展覧会をやることの意味を、本当に深く考えてはるんやなあ、
と思うと、その「ありがとうございます」にジーンとしてしまった。

三つ目のピーター・ヒューゴさんも南アフリカだけど、
ワシより若い、今の時代の白人写真家のようだ。



いい写真だった。
けど、アーネスト・コールさんが強烈過ぎて、
あまり頭に入ってこない。
京都国際写真祭は、京都市内の古い商家などでやってることが多く、
京セラ美術館での開催って、何か楽しみが一つ減った気がしてたんやけど、
こういう会場の活かし方、ええよな、と思った。

