単なるミステリーじゃない。BBBムービー「シーシュポスたちのまなざし」。

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底なし沼のような映画だった。
昔からある程度は、こういう噂が噂を呼ぶような状況ってあったんだろうけど、
今や、SNSの普及で、それが、とんでもないスピードで広まり、
とんでもない半径の渦に拡大してしまってるのかもしれない。

被害者と思ってた人が、加害者になり、
新たな被害者を生み、その被害者がまた加害者として、
加害者を被害者にしてしまう。
傍観者も、皮を剥けば、加害者でもある。
それぞれが、そのことを隠そうとして、
真相は、余計に遠のいていく。

それを取材しようとしている主人公たちも、
新たな加害者になる過程のようにも思える。

SNSは被害者製造装置のようだ。
被害者を製造するということは同時に加害者も製造する。
結果的に、SNSは加害者になるハードルも、被害者になるハードルも、
下げてしまったのだろう。

なんだか連続するカルマン渦のように、果てしない負の連鎖。
この映画のその事件は、中心にいる二人の行動でなんとか決着する。
というより、元より、この二人だけの問題だったのかもしれない。
片方が当時、高校生だったという問題はあるにしろ、
映画の時制の時点では、この事件そのものは、
もはや、二人だけの問題にしておいて良いのだろう。

だけど、なぜ、この渦が拡大しつつ、新たな渦を巻き起こすのか、
というこの映画の提議する問題自体は、ひとつも解決していない。
同じような問題は、毎日のようにSNS上で発生しているのだろう。

この映画は、ひとつの事件を追ったミステリーの体裁を取りつつ、
現代が解決できていない問題を、
世の中に問おうとする、意欲的な映画なのだろう。
今の社会では、誰もが、この問題と無関係ではいられない。
すごく、考えさせられる映画でした。

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