人間の幸せとは?美しくも、考えさせらる映画でした。BBBムービー「よき谷の物語」。

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バルセロナの郊外、川と鉄道に挟まれて、陸の孤島のようになってしまってる場所、
バルボナの移り変わりから、世界の今を映し出すようなドキュメンタリー映画。

大阪で言うと、どこになるのかなあ、と考えてみた。
バルボナは、都心から離れてて山の中みたいやけど、
なんとなく、西成とか、中津の商店街のあたりが思い浮かんだ。
大都会の近くなんやけど、それとは違う時間が流れ、
独特の文化があって、住民たちは、楽しみながら生きてるところ、
開発の波が押し寄せて、変わりつつある未来が予感されるところが、
そんな風に思った原因なのかもしれない。

作品性が高く、何か一編の映像詩のような趣もあって、
こういうのが、テレビのドキュメンタリーではできない、
映画ならではのドキュメンタリーかもしれんなあ、思いました。

最初と最後のシーンが特に印象に残っている。
子どもたちの川遊びの飛び散る水に合わせての音楽(多分、映像に合わせた即興演奏)が、
ほんま見事なくらい、ぴったり合ってて、気持ちよく、
生命力と、美しさに引き込まれる。

そして、最後、遊泳禁止やけど、住民たちの楽園になってる川辺に、
警察が来るとなって、散り散りに逃げる人々。
あっという間に人の気配のなくなった川に、
取り残された一匹の犬が、静けさを強調する。
「ほんまにドキュメンタリーなの?」と驚く、素晴らしいシーンやと思った。
始まりの川、終わりの川、その落差が、この町のすべてを象徴してる気がした。

ストーリー的には、住民のオーディションシーンから始まるのだが、
その中の一人のおじいちゃんの言葉が、
意図的ではないのかもしれないけど、この町を象徴してるようで、記憶に残っている。
「この町で映画撮るなら、どんな映画?」
「西部劇がいいよ、西部劇撮りなよ」。
観てる時は笑ってしまったのだが、
西部劇の「もともと住んでた住民を、追い詰める権力」という意味で、
この町の運命を象徴していたような気がする。

本当に都会の片隅に盲点のように、そこだけ取り残されたかのような町。
だからこそ、住民はある意味ノンキに暮らしていて、
移民の人たちをも受け入れ、それなりに幸せそうに共存している。
なのに、そこに行政の一方的な「都市開発」という美名に覆われた、
住民にとっては、破壊でしかない行為が、忍び寄る。

これって、この町に限らない、先進国でも、発展途上国でも、
世界中で、進行中のことのような気がする。
移民への対応も含めて。

世界にいくつかあるだろう、桃源郷のような幸せな場所が、
そのまま残っていくには、どうすればいいのか。
何か違うベクトルの、人間社会の進化の方法が必要なのでは?
と思わせてくれる、美しくも、考えさせられる映画でした。

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