二人の偉大な建築家の実話ベースの物語。BBBムービー「新凱旋門物語」。

※ネタバレあります。

公式サイト
建築家の理想と現実。
二人の建築家の気持ち、どちらも分かる気がするので、
なんともいたたまれない映画でした。

主人公のヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンは、
無名で、実際にこういう大きなプロジェクトをやったことがないだけに純粋で、
妥協せず、理想を求める。
彼を支えようとするポール・アンドリューは、大きなプロジェクトをいくつも成し遂げてるだけに、
現実との折り合いをつけて、実現することを目指す。

予算、政情、技術、大きなプロジェクトだけに、
いろんな制約が二人に追い被さる。
そのあたり、もちろんこんなでかい仕事をしたことはないけれど、
クライアントのお金で、モノを作る人間として、
ワシにも分かる部分があるだけに、
痛くて痛くて、仕方なかった。

ヨハンの理想主義ゆえの目の前にいるポールへの反発もわかるけど、
「お前の素晴らしい考えを、なんとか形にしてやりたいんや」という
ポールの板挟みのような状況が、ほんまによう分かって、
「そこは妥協したげて!ヨハン!」と何度も思った。

結局、ヨハンは、新凱旋門の完成を見ることなく、
この世を去るのだが、それは彼にとって、もしかしたら幸せだったのかもしれない。
自分の思ったものと違う建物が、完成し、
自分以外の人が賞賛を浴びるのをみないで済んだ、という一点において。

ワシがパリに行ったのは、1986年の一回きりなので、
この物凄い建築物は、実際目にしたことはないのだが、
一度、現物を観てみたいなあ、と心から思った。

もし、その機会があれば、最後まで理想を追い続けたがゆえ、
このプロジェクトを降りてしまい、完成したこの壮大な建物を、
観ることなく逝った偉大な建築家と、
その彼の才能に、心から惚れ込み、この夢のような建物を、
現実の世界に出現させた偉大な建築家、
二人がいたことを、忘れないでおこうと思う。

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