心にトロフィーを持つこと。BBBムービー「トロフィー」。

公式サイト
「なんでトロフィーってタイトルなん?『勲章』でええやん」思いながら観てたんやけど、
最後の最後に「あ!そういうことか!トロフィーで正解!」思いました。

日本、北朝鮮、韓国、、揺れ動く少女の心、
そら、揺れ動いて当たり前やな。
日本にしかルーツのないワシかて、今でもグラグラ揺れるもんなあ。
ましてや、あの年やったら、揺らいで当たり前やと思う。

そのアイデンティティや誇りは、
自分一人一人が向き合うものなんやということを、
この映画は、教えてくれる気がした。

同じ在日朝鮮人やと言っても、世代や立場で、そのアイデンティティは、
それぞれに違っているのだろう。
父と娘、それぞれ違う立場にいて、
反発しあってたのが、
父のアイデンティティが揺らぐ事件をきっかけに、
少しずつ雪解けのように、分かりあっていく過程が、
何か切なくて、胸が痛くなった。

朝鮮学校の生徒数が、そこまで少なくなってるってことも知らなかったし、
在日家庭の中の世代間ギャップなども、知らなかった。
その生活も、ほとんど、日本の普通の家庭と変わらないようにも見える。
この映画は、ほんまに今現在の在日の人々の暮らしを捉えた、
今まで観たことのない在日家族の映画やなあ、と思った。

日本人の同年代の女の子と友だちになるきっかけが、
K-POPアイドルというのも、今の時代らしく、
その日本人の女の子が、
憧れのアイドルと、同じ民族ということで、在日の友だちを羨ましがるのも、
ワシには、すごく新鮮だった。

巷では、いまだに他民族への差別感情が強い人も多い。
在日への差別感情が、全ての外国人(西洋人除く)への差別感情にまで、
広がっている感じもある。
そういう人たちは、この映画の主人公、ソヒが、体験した、
アイデンティティの揺らぐ気持ちを、きちんと消化してないか、
他民族を排斥することで、乗り越えようとしているように思える。

すべての人が、悩み、苦しんだ末に、
他者を下に見ることではなく、
自分自身と向き合うことで、
何か自分にとって誇りになるトロフィーを得られれば、
社会は、もっと生きやすくなるのではないか、と思った。
「トロフィー」という形がなくても、構わない。
この映画の父は勲章の代わりに、
娘との交流と、娘のダンスを見たことで、
もっと大切なトロフィーを手に入れたのかもしれない。
世代間ギャップはあっても、娘に伝わってるものがある。
それは、形にはできないかもしれないけど、
それ以上に値打ちのあるもの。

そういう意味では、あの勲章集めが趣味のおっさんのシーン、
すごく印象的やったなあ。
あのシーンで一気に、勲章が「誇りではなく、ただのモノである」
ってことが、あからさまになったもんなあ。

そういう生きていく上で大切なことを
思春期の娘とお父さんの関係をメインに、
リアルな生活の中で、キュンとした瑞々しい絵で描いている。
だから、余計に心に伝わってくる。

ほんま、隅々まで考えられた、ようできた映画やと思います。

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