罪の意識が、ほとんどないテロリストたち。BBBムービー「恐怖分子 デジタルリマスター」。

公式サイト
すごいわ。エドワード・ヤンさん、ほんま天才やなあ。
ひとつひとつは、薄いラインでしか繋がってない、
ひとつひとつのエピソードが、
ドミノ倒しのように、バタフライエフェクトのように、
少しずつ、絡み合って、一人の男の人生を追い込んでいく。

ちょっと頭の整理が追いつかないんやけど、
登場人物の一人一人は、たぶん誰も、全貌を知らない。
だから、登場人物は、一人の男を追い詰めてしまったことも、
元嫁以外は、知らないのだろう。
その元嫁はもちろん、追い詰められた元夫ですら、
物語の全貌は知らないままなのだろう。
全部を知ってるのは観客だけ。
この構造、だからこそ生まれるハラハラドキドキ感は、
もうほんま発明と言っていいレベルなのかもしれない。

そして、それは、隣に住む人ですら、どういう人なのか分からないという
台北という都会の姿を、映像に曝け出しているようにも思う。

この映画が発表されたのが1986年なので、
舞台は1980年代の台北なのだろうが、
45年以上経って、時代は、さらに、この映画が描いてる世界を
突き詰めたようになってる気がする。
SNSなどの普及で、この映画に描かれている状況は、
加速度を増しているのかもしれない。

「恐怖分子」というタイトルはテロリストという意味らしい。
この映画に、本物のテロリストは出てこない。
なのに、このタイトルは、ものすごくしっくりくる。
誰もが、誰かのテロリスト、たり得る世界。
この映画では、なんの罪の意識もなく、
通りすがりのような立場で、
元の生活に戻っていく写真好きの少年ですら、
ある意味、人を追い込むテロ行為を行っているのだ、
という意味を、エドワード・ヤンさんはタイトルに、込めたのかもしれない。
この映画では、いくつもの要素が重なって、
結局はテロ行為のような結論を招くが、
今の時代は、SNSで、会ったこともない人にとっての、
テロ行為が、クッションなしに、直背的に、できてしまう時代なのかもしれない。
と思うと、ほんまに怖い時代に生きてることを、実感するのであった。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA