よしだよしこ(ゲスト長田TACO和承・じゃんぼ奥谷)@チャクラ。

ワシのおかんの名前は「よしこ」旧姓は「よしだ」、
つまり「現はしもとよしこ」、「旧よしだよしこ」。
なぜ、90年以上前の昭和初期、
第一子に、そんな「しんのしん」みたいな名前をつけたのか、
ずっと疑問には感じていた。
今となっては、祖父や父母の心中、測りようもないが、
いつかはこの人のライブを観なければいけないとは思っていた。

てなわけで、うちからチャリで10分とかからん、
チャクラに、よしだよしこさんのライブを観に行ってきた。

やはり、会場に近いもんが一番遅くやってくる、
という法則は生きてるんだろうか、
ワシが着くと、皆さん、お席に座ってらっしゃる。
満席や!
さすが、よしだよしこさん!
この巨体で、かぶりつき席に座らされそうになる。
「後ろの人に申し訳ない!」
思ってたら、ひとつ、端っこに席が空いてた。
良かった〜〜〜!
しかも、知らない人がほとんどの会場だったけど、
この席のすぐ近くに、クニさん座ってた。
なんかホッとする。

よしこさんが、何も持たずにスクッと立った。
アイヌの民謡と波照間で作った歌をア・カペラで歌い出す。
カッコええ始まり方やなあ。

ひとつひとつの歌とよしこさんの間に物語があるんやなあ。
歌を聴きながら、MC聴きながら、そんなこと思ってると、
歌がより深く体の底に落ちてくる気がした。

ギターでの弾き語りになると、ギター、声、それぞれの美しさが際立つ。
歌詞に「焚き火」が出て来たけど、
よしこさんの歌自体が焚き火のようやな。
なにか心の中に、ポッと、光と温かさをもたらしてくれる。

出てくる音楽は限りなく優しいけど、
それを演奏してるよしだこさんは、
なにか深淵を覗いてるような感じもした。
いや、深淵を覗いてるからこそ、生まれる優しさなのかもしれない。

と思ったら、歌い終わりのMCで、
ケメさん(佐藤公彦さん)のことを歌った曲やと教えてくれた。
道理で、深いわけや。
よしこさんとケメさんは、アマチュア時代からの仲間で、
ケメさんが亡くなるまで、その縁は続いたらしい。

ゲストでタコさん(長田TACO和承さん)、出て来はった。
この二人の縁も相当長いらしい。
出会った頃の話から最近の話まで、全部、楽しい!
会場が笑いに包まれる。

タコさんのラップスティールは何度か聴いたことあるけど、
ほんま歌に寄り添うええ演奏。
ラップスティールって音の存在感ある楽器やから、
鳴らすだけで、けっこう目立っちゃうんやけど、
穏やかに控えめに歌に寄り添いながら、
ラップスティールならではの良さがちゃんと伝わってくる。

「卵焼き」って歌がすごく沁みた。
出汁の味が端っこまで染み渡っていた。
よしださんのギターが、ほんまにちゃんと、
アメリカンフォークで、
タコさんとええ組み合わせやなあ。

二人目のゲストはマンドリンのじゃんぼ奥谷さん。
繊細で陰影のある曲やったなあ。
マンドリンにしか表現できない、こういう悲しさってやっぱあるよなー、と思う。

一部ラストはモンゴメリーのローザ・パークスを歌った「he Said No!」。
これは、すごい聴き応え!もう物語、いや叙事詩やな〜〜!

おお!二部はダルシマー登場。
しかも「鉱夫の祈り」から。
嬉しい!

ダルシマーの音は、音だけで物語を連れてくるなあ。
「竹田の子守唄」は、ワシも知ってる流布したバージョンではなく、
たぶん原型に近いバージョンで。
こりゃ、完全にジャパニーズブルースや。
かっこいい!けど、その奥に、苦しむ人々の姿がちゃんと炙り出される。

高田渡さんの「鎮静剤」の元の詩、
マリー・ローランサンさんなんや!
しかも訳したのは、堀口大學さんなんや!
知らんかった〜〜!
ダルシマー、ほんま心地よいなあ!
寝落ちしたい欲がムクムク湧いてくるわ!

じゃんぼ奥谷さん入って来た。
ダルシマー&マンドリン。
こりゃ初めて聴く組み合わせやなあ!軽快で気持ちええ!
なんだかパイレーツカヌーの音が聴こえて来そうな気がした。

お店の方のハッピーバースデー、挟む。
はほのぼのー。

あれ?気がつくと、タコさんもいてはって、三人でやってはった。

震災のことを歌った曲、それ以降の長い曲は、
どれも一曲一曲、ほんま映画みたいやったなあ。

チリのヴィクトル・ハラの出てくるチリから日本への難民、
クラウディオさんの曲、「クラウディオさんの手」、
音楽としても、ストーリーとしても、凄かった。

けど、これがほんま凄いのは、
これがクラウディオさんの数奇な運命を語った曲ではなく、
こんな大変で理不尽なストーリーが、
今現在の日本の入管周りでは、いくつもあるってことなんやろなあー。

ラストは高石友也さんが歌ってて、
よしださんが中学の時に出会って、フォークに飛び込んだという曲、
「明日なき世界」。
この流れでこの曲が出てくる。
よしだよしこさん、ほんまに背筋がきっちり真っ直ぐに通ってる、
揺るがない人なんやなあ。

アンコールは二曲。
お誕生日のお店の方のリクエストらしいです。
「崩れ落ちるものを感じるかい」と「デスペラード」の日本語訳。
ワシがイーグルスで唯一くらいに好きな曲やけど、イーグルスより良かったかも、
と思うくらいジーンときた。

美しい声と美しいギター、和やかな会場。
ほんまに、優しく、温かいライブでした。

ちなみに、近くに座っててくれはったクニさんは、
ナオユキさんの従兄弟なんやけど、
クニさんと一緒に来てはった女性、
紹介して頂いた。
なんとナオユキさんの妹さんやった。
言われてみれば、ナオユキさんに似てる。
やっぱりかわいい系の方でした(笑)

平田ママ、ありがとう!
お疲れさまでした!!

よしだよしこさんが、ワシのおかんと同じように、
弱きもの、小さきものの気持ちを、きちんと想像して歌える
(おかんの場合は短歌で詠うんやけど)、
心に芯を持った人でよかったなあ、と思いつつ、
帰りにスーパーに寄って、
歌聞いてて食いたくなった、
出汁巻卵を買って帰るのであった。

で、家帰って、早速おかんに報告のメールを書いたのであった。
おかん、よしだよしこさんのこと、知ってるかなあ。

【翌日談】
このこと、おかんにメールで伝えると、
翌日、凄く喜んだメールが返ってきた。

いままで「よしだよしこ」と言うと、
江利チエミさんのお金を騙し取って、
高倉健さんとの離婚の一因になった、
江利チエミさんの異父姉のことしか知らなくて、
少し「よしだよしこ」という名前に、
コンプレックスがあったらしいのだが、
こちらのよしだよしこさんのことを知って、
「よしだよしこ」を誇れる気持ちになったらしい。

ワシのおかんは、1970年代、高校の教師をしてて、
フォーククラブの顧問で、
「友よ」とか歌ってたらしいんだが、
よしだよしこさんのことは、知らなかったらしい。

ほんまに、伝えて良かった!!
よしだよしこさん、
本当に、ありがとうございます。

【後日談】
母にAmazonで、よしだよしこさんの「ヨイシラセ」を送った。
すごい喜んでくれた。
まず、歌詞カードを全部繰り返して読んでから、
一曲一曲聴いてるようで、
着いてから二日経った昨晩、
「4曲目まで聴きました。残りも楽しみにしてます。」
とメールが来た。

そんな聴き方をする人って、初めて聞いたので、
少し驚いた。
やっぱり、短歌をやってるので、
言葉に一番に気持ちが向かうのかもしれない。
ワシも、まだ聴かせて頂いてないアルバムなので、
正月、里帰りする時に、聴かせて頂こう。

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