なぜ、彼は最期の最期、自分に戻ったのか。BBBムービー「逃走」。

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まだ記憶に新しい、昨年話題になった、
連続企業爆破事件の桐島聡さんの半生を描いた映画。

ワシ的にも「なぜ最期の最期になって、名乗ったのだろう」と思ってたので、
気になって観に行った。
この映画での解釈が正しいのかどうかは、
永遠に分からないのだろうが、
腑に落ちる解釈ではあった。

若い時を演じる杉田雷麟さん、
年老いてからを演じる古舘寛治さんの演技が、
真に迫ってて、ドキュメンタリー?と勘違いするほどだった。

一人の人間が、自分を隠して生きる、
自分として生きていた時間より、ずっと長く隠れながら生きる。
だとすると、本当の自分というのは、
どこにあるのだろう。
一人の人間にとって、
自分自身というのは、なんなんだろう。
と、考えさせる作品になってるのが、凄いな、と思った。

桐島聡さんという人間を通じて、
人間全体を描こうとする試み、と思えた。

大友良英さんの音楽も良かったし、
山下洋輔さんの挿入歌も良かった。

のだが、フリージャズを、あの闘争の時代のテーマソングのように、
扱うのは、どうなんだろう、というのは、少し疑問に思った。
なんかフリージャズを、あの頃の時代の音楽、
今では、もう古くなってしまった音楽に、
押し込めてしまってるような気が、少ししたのであった。

それにしても、「REVOLITION +1」の時も思ったけど、
これだけの事件を一年ちょっとで、消化して、
完成度の高い映画として完成させる足立正生さんのスピード、
尋常じゃないなあ。

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