ガザで、ひとつの美しい魂が散ったことを、一人でも多くの人に知ってほしい。BBBムービー「手に魂を込め、歩いてみれば」。

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スマホの呼び出し音が聞こえるたびに、
「今日は出てくれるんだろうか。どうぞ、出てくれますように」と、
祈るような気持ちになった。

「手に魂を込め、歩いてみれば」は、ガザに住むフォトジャーナリストと、
スマホで会話し続けるイラン人監督、女性二人の往復書簡というか、
テレビ電話の映像で構成された映画。
イラン人監督は亡命して、今はフランスに住んでいる。

一年間に亘って、連絡を取り合う二人。
映画は監督の目線なので、ほぼファトマの顔の映像で進んで行く。
この二人、親子ほど、年齢は離れているけど、
同じイスラム圏の出身で、かたや隣国に、かたや祖国の政府に、ではあるが、
迫害を受けている同士、そして、同じように映像を使って表現する二人、
最初から、すごく共感しあってるのが分かる。

けど、違うところは、やはり違っている。
死んでもガザから離れないというファトマと、
創作を続けるためにも祖国を離れた監督。
宗教に対する考えも、少しずつ違っている。
けど、二人は、その違いを認めつつ、
お互いを尊敬しあっているのだろう。
ファトマは毎日、すぐ近くで知り合いが死んでるガザにいるとは思えない笑顔で、
スマホの向こうの監督に話かける。

とは言うものの、日を追うごとに、ファトマの表情はうつろになり、
肌荒れも隠せなくなって行く。
コメント内容も、さることながら、ファトマの顔だけでも、
戦争の過酷さが伝わってくる。
ほぼ女性のバストアップという、変わりの少ない映像で、
こんなにリアルな現実を映し出すドキュメンタリーって、
今までにあっただろうか。

イスラエルの目標は一体なんなのだろう。
これほど、街をかわし尽くし、民間人を殺して周り、
何を得ようとしてるのだろう。
この土地を完全に自分のものにして、他の民族をいなくしてしまう?
それがジェノサイドでなければ、なんなのだろう。
まるで、ナチスに受けた悲劇を、他の民族に返してるような。
けど、このまま、完全に根絶やしにするまで止めないのであれば、
イスラエルはナチスを超えてしまうのではないか、
と思ったりした。

「元々、ガザはユダヤ人の土地だから」という理由で、
パレスチナ人を殺戮していいと言うのなら、
全世界に散らばって、他の民族が住んできた土地に住む、
ユダヤ人は、どうなると言うのか。
根絶やしにするのでなければ、どこで止める?
妥協できるポイントはどこ?
今のイスラエルは、それさえ考えずに、
殺戮に次ぐ殺戮を続けているように思える。

こんな絶望しか見えない状況なのに、
ファトマさんの表情には、どこかに希望を感じる。
これほど痛めつけられながら、
どうして、あの希望を感じる顔ができるのだろう。

「もし死ぬなら、響き渡る死を」。
25歳がこの言葉を口にしてしまう世界。
すごい言葉だけど、その通りになってしまった現実が悲しい。
ワシらができるのは、少しでも彼女の死を、
世の中に響き渡らせることしか、ないのだろう。
だから、少しでも多くの人に、この映画を観てほしい。
ファトマさんという、美しい魂を持った人が、この世界にいて、
いろいろ夢を抱いていたのに、
理不尽な暴力に散ったことを知ってほしい。

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