幾つもの時間と時間軸が、矛盾せずに行き交う。BBBムービー「道行き」。

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不思議な映画だった。
荒れ果てた古民家がきれいになっていく様は、
ドキュメンタリーのように、映画と撮影が、
同時進行して、時間が経ってゆく。
二人の会話は、道案内をして、シーンを導き出す、
時間を操るディレクターのようで、
そこから導かれるシーンは、
過去へと遡るファンタジーのようでもある。
そこに文楽の劇中劇までが、入り混じる。

ただ時間が、ひとつの時間軸の上で、あちこちに行くだけではない。
そんな映画は、最近よく見かける。
なにか、異なった時間軸が、家と鉄道という二ヶ所を中心に、
クロスしたり、重なったりするような、不思議な感覚。

話のテーマも、時間に関するもので、
何か、幾つもの時間と時間軸が、この映画の中で、
矛盾せずに、混在してるのである。

ストーリーは、これと言ってないに等しいのだけど、
何か観てるうちに、心が穏やかになって行ってる気がする。
桐竹勘十郎さんの柔らかく、どこか上品な関西弁が、
この映画全体を優しく包んでるのかもしれない。
ナイスキャスティング!
カエル目の細馬宏通さんや、大塚まさじさんも、ええ味出してるし、
主役の渡辺大知くんも、いい。
しかも、全員、「よく連れて来たな」と思う、
意外なキャスティングで、センスええなあ!と感心してしまった。

鉄道風景がすごく良かった。
古民家や街並みは奈良県の御所市らしいし、
物語の設定も、奈良県になってるのだけど、
この鉄道は岐阜県の樽見鉄道らしい。
そう遠くない。一度、乗りに行ってみたい。

あの映像にハワイアン音楽、
頭で考えると、全然合いそうにないのだが、
映画で観ると、驚くほど、しっくりくる来てた。

ほんまに、次回作が楽しみになる、
センスのええ監督でございます。

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