ミャンマー出身の監督が描く日本の社会と普遍的な家族。BBBムービー「めぐる」「エイン」。
ミャンマー出身、日本在住の映画監督ティンダンさんの
中編映画が、2本同時に公開されてた。
※多少、ネタバレあります。
公式サイト
「めぐる」は、ひとつの駆け込み乗車が、直接関係のない人たちに、少しずつ影響して、
その影響が二つの波紋のよう重なったりして、
意外な事件に繋がっていく、というバタフライエフェクトな話。
そのアイデアも面白いし、ひとつひとつのエピソードに、
今の日本社会の軋みみたいなものを混ぜていく手法も、
大したものだと思った。

けど、ワシ的にはミャンマーから日本に移住して来て、
子どもは子どもの、親は親の葛藤を抱えながら、
なんとか希望を持って生きていく「エイン」の方が面白かった。
それぞれの気持ち、
思春期の葛藤も抱えるお兄ちゃんの気持ちも、よくわかるし、
親の気持ちや立場にも共感した。
何より、葛藤を抱えながら、お兄ちゃんが好きで好きで、
天使のような純真さで、
お兄ちゃんの心の壁を溶かしていく弟が、
可愛くて仕方なかった。
お兄ちゃんの壁を溶かしたことで、
お父さんやお母さんの壁や戸惑いも、
結局、この弟くんが、溶かしてしまった気がした。
この兄弟を迎える海辺の町の人たちが、
「ちょっとええ人過ぎない?」思うくらい、
ええ人ばかりなのだが、
各地でヘイトがはびこる日本の現状と比べると、
「どこに行っても、こんな日本人ばかりならええなあ」と、
祈るような思いになるのだった。
壁が解けた後のお兄ちゃんの、
同級生との少年らしいおふざけ、
「やっぱりこの子も中学生やったんや」と、
なんかホッとする気持ちになった。
この映画は、ミャンマー出身の家族の物語だけど、
きっと条件は違っても、親と子どもの間には、
同じような壁があったりするのだろう。
そういう意味では、普遍的な家族の映画なのかもしれない。
ミャンマー生まれで日本育ちだからこそ、
見えてくる日本社会を、描くティンダン監督、
これからの作品も楽しみになった。

