ほんの二週間前の最後の宴。
たった二週間、ほんの二週間前に、
久しぶりにお会いできたのに。
会社員時代の先輩、高橋彰一さんが逝ってしまわれた。

ワシの手前が高橋彰一さん。
右列は手前から藤井さん、多田さん、岸さん。
いずれも一緒に広告作りした先輩方。
他の3人とは、なんやかんやで、会ってたけど、
高橋さんとは、すごく久しぶり。
たぶん、ワシが会社辞めてから初めて。
高橋さんは、そのずっと前に定年されてたので、
10年以上は、お会いできてなかったと思う。
なのに、会って、ものの5分で、あの頃の高橋さんの姿が、
いろいろ浮かんできた。
あの頃と変わらない陽気で楽しい高橋さん。
この5人の中で、誰よりも大きな声で、
誰よりも、多い時間、喋ってはったと思う。
「変わらんなあ、元気やなあ、
この中で一番長生きしそうやなあ」
ワシより15歳以上年上なのに、そう思ってしまっていたのに。
そして、この時の話題も、多くは高橋さんの話だった気がする。
昔から、楽しくて、よう人の話題に上る人だったのだ。
ワシと一緒にやっていたのは、
厳しいクライアントで、けっこう辛い仕事ばかりだったはずなのに、
高橋さんのこと思い出そうとすると、
楽しい思い出しか出てこない。
あの大声で、どんな暗い現場でも、明るくしてしまう人だった。
その反面、傷つきやすい繊細さを、
ときどき感じることもあった。
けど、それを乗り越えるような楽天さ、
それは、自分の繊細さを克服しようとする
強さだったのかもしれない。
そんなことも含め、
「生まれ変わったら、高橋さんになりたい」と、
冗談でよく言ったものだった。
聞けば、テニスの途中に倒れられたらしい。
そう言えば、高橋さん、
昔、ウインブルドンの公募エッセイで賞を取って、
招待でウインブルドンに行かれたって言ってたなあ。
最後、自分の一番、好きなことをやってらっしゃったのか。
さすが高橋さん。
でも、出来れば、もっとお会いしたかった。
先日の宴をきっかけに、もっと、ご一緒の時間を過ごしたかった。
だけど、最後の最後に、お会いできたことは、
今思えば、ワシにとって、宝物のような時間だったのだな。
その記憶を、ワシの薄れ行く海馬に、
できるだけ留めておこう。
高橋さん、ゆっくりお休みください。
ワシが逝くまで、そっちで、またおもろい話、
仕込んでてください。
その話、聞くのを楽しみにしています。
