面白い戦後の沖縄の生き字引みたいな人に会えた。BBBムービー「勝ちゃんー沖縄の戦後」。
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1944年10月4日生まれ、
つまり沖縄戦最初の大規模空襲「10・10空襲」の6日前生まれの、
艦砲の喰え残さ(かんぽうぬくぇーぬくさー)※、
由美子ちゃん事件の近くにもいて、
宮森小学校米軍機墜落事故目撃者でもある、
コザ暴動や戦果アギヤーの当事者でもあり、
沖縄ヤクザの抗争にも絡み、
刑務所にも入り、
出所後は、その関係を断つために、
ヤンバルでウミンチュになって、
誰も真似できない、一人追い込み漁を開発し、
辺野古の新基地建設の反対運動にも積極的に参加する。
よくぞ、こんな戦中〜戦後の沖縄の生き字引みたいな人を、
見つけて来たもんやなあ。
※沖縄戦での凄まじい攻撃を生き延びた人のことを
「艦砲射撃が喰い残したもの」と表現したもの。

映画は、その勝っちゃんのインタンビューを中心に構成される。
やっぱり生の声は強い。
次々と出てくる沖縄の戦後史、
知識としては知ってたことだけど、
より生々しい出来事として、ワシの中で更新された。
その壮絶な実体験の歴史を、
軽やかに笑いながら語る。
なんつー人間力!
勝っちゃんの歌う民謡も、すごくいい。
三線も歌も、上手いのは、上手いんだけど、
なんか、そういう次元ではなく、
プロの歌手には出せないような味がある。
どこにも力が入ってないかのような、
気持ちのまま歌う、ゆるゆるやかな民謡、
無茶苦茶上手い人が、お風呂で誰に聴かせるでもなく、
歌ってるのが、たまたま聴こえて来たかのような。
ええカッコしようというところが、
全く感じられない、ええ歌だ。
こんな歌を歌える人が、面白くないわけがない。
勝っちゃんの人間としての魅力に、
やられてしまった。
けど、それだけに、映画としては、
勝っちゃん頼りが過ぎる気がした。
勝っちゃんの言葉は、この頃に生まれた沖縄の人にしては
ずいぶん分かりやすいんやけど、
それでも、やはり内地の人間には、分かりにくいところも多い。
全部とは言わんまでも、せめてわかりにくいところだけでも、
スーパーで補って欲しかったなー。
ウチナーグチ満開の民謡には、流石にスーパーついてたけど。
あと、勝っちゃんが一所懸命、絵を描きながら、
説明する人追い込み漁の網の構造。
勝っちゃんの絵、味があるんやけど、
流石に、素人絵では、観てるもんには、分かりにくい。
まあ、ワシが立体構造物の絵を、
なかなか理解できないってこともあるんやけど。
でも、そういう人、ワシ一人ではないと思う。
こういうのを観てる人に少しでも分かりやすくするんが、
制作者の役割やと思うんやけどなあ。
「できるだけ観てる人に伝えたい」って、
気持ちがないんかなー?と素朴に疑問に思った。
その辺は、かなり残念やったけど、
勝っちゃんという面白いウチナンチューを知れたこと、
その人を通じて、沖縄の戦後をより実感できたことは、
得難い経験ではあった。

