ワシは家族の映画として、この映画を好きになった。BBBムービー「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」。

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今月から「12ヶ月のシネマリレー」というシリーズが始まってる。
名作の数々を、毎月、上映してくれる。

その第一弾がこの映画だ。

トランボは、「ローマの休日」の本当の作者なのに、
当時はハリウッドにも襲いかかったマッカーシズムのために、
名前を出せなくて、友人の名前でアカデミー賞を受賞して、
後年、本当の作者として認められたってことくらいしか知らなかったので、
この映画を観てみようと思った。

この映画を観る限り、すげえ才能やなあ!
どれだけ不遇な目に遭おうと、
隙間からこぼれ出てくるような才能。
ハリウッドから、表現の自由が奪われ、
思想統制がまかり通ってた時代に、
彼のような才能がいて良かったと思う。

映画の世界で、思想統制なんて、映画の自殺でしかないもの、
それが間違ってる、と気づくために、
彼の才能は、大きな役割を果たしたんではないか、と思った。

アメリカという民主主義の代表の国ですら、
その民主主義を守るという、矛盾したような理屈で、
思想統制が当たり前のように行われる時代が、
たかだか70年前にあった。
民主主義を守るために、思想統制するなんて、
少し考えれば、笑い話でしかないようなことでも、
世論になって、大手を振ってる時代が。

この映画を、あの人が大統領に返り咲いたタイミングで観たのは、
なんとなく、象徴的なような気がした。
アメリカの民主主義は、本当に危機を迎えてる気がするし、
世界中で、同じような動きが出て来てる気がして、
本当に怖い。

この時、ジョン・ウェインや、ロナルド・レーガンなど、
共産党員を炙り出して、追放する側の中心っだった組織、
「アメリカの理想を守るための映画同盟」には、
ウォルト・ディズニーも参加してた。
ワシがディズニーを、もうひとつ信用できないのは、
ここにも原因があるような気がする。

しかし、この映画は、そういう思想的な立場での、トランボだけではなく、
家庭のお父さんとしてのトランボもしっかり描いてて、
観てるうちに、次第に家族の描写に目が惹きつけられていった。
匿名の安い値段で、信じられないほどの仕事量をこなし、
仲間のためにも働き続ける父を理解して、尊敬しつつも、
やはり寂しさも感じてる子どもたち。
仕事にばかり目が行き、「家族を支えるため」と言いつつ、
家族を疎ましく思うほど、仕事に熱中するトランボさん。
その状況を完璧に理解して俯瞰で見て、
ピシャリと、的確な苦言を吐いて、
トランボさんの目を覚ます奥さん。

トランボさん、才能にも恵まれてたけど、
家族にもすげえ恵まれてたんやなあ。

トランボさん、生きてる間に全米脚本家組合から功労賞を贈られて、
それは、本人はもちろん、ハリウッドのためにも良かったし、
何より、トランボさんを信じて、支え続けた、
家族のために良かったことやったんやなあ、と思った。

12ヶ月のシネマリレー、全作品観たら、なんかもらえるらしいが、
そのために全作品観るのは、性に合わん。
けど、観たい作品が目白押しなんで、
半分くらいは観てしまうかもな。
とりあえず、来年早々、1月の「パリ、テキサス」が楽しみである。

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