フィクションでも驚くような、ようできたストーリーのドキュメンタリー映画。BBBムービー「画家と泥棒」。

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こんなよくできた奇跡のようなストーリーがあるものだろうか。
脚本としては出来過ぎに思える展開なのだが、
なんと、これはドキュメンタリー映画なのだ。
こんなドキュメンタリー映画、観たことない!
創ろうと思って、創れるもんでもないだろう。

画家とそれを盗んだ薬中でアル中の泥棒。
最初の窃盗シーンこそ、監視カメラ映像やけど、
その後のシーンは、刑務所の中まで、
カメラで撮ってるもんなー。
しかも人物フォローしつつ。

この刑務所、窓から森が見えて、
パソコンも電話もある刑務所、
入口に鍵さえかけられなければ、
ものすごく快適な気がする。
ワシ、窓から外さえ見えれば、
結構部屋の中に居るの好きなんで、
気持ちよく過ごせそうっす。
食事の用意も、買い物もいらんしなあ。

この泥棒、元々教養あって、美的センスも高いんやろなあ。
自分の部屋の壁という壁、
お気に入りの絵で飾ってるもんなあ。盗んだもんかもやけど。
絵を盗んだ理由も、金のためではなく、
「美しかったから」というのが、なんとも詩的でかっこいい。

この映画、おもろいんは、加害者と被害者やのに、
被害者の女性リアリズム画家が、加害者の泥棒に、
モデルとしての魅力を感じてしまうことなんやけど、
そのスタートが「美しかったから盗んだ」ってことなんやろな。
そこから二人のやり取りが始まる。
最初は芸術的衝動やったんかもしれんけど、
人間同士やから、会う機会が増えるごとな、二人の距離も近づく。

自分をモデルにした絵を初めて観た時の、
泥棒のあっけに取られたような顔と、
その後、崩れ落ちるように泣く姿は印象的やった
それまでは「めんどくさいけど、俺加害者やしなあ」て
義務感っぽかったけど、
ここから急速に二人の距離が近づき、
人間と人間の付き合いになっていく気がした。

泥棒は、母親から捨てられたトラウマを抱え、
今まで誰からも必要とされなかったという思いがあるから、
自分がいなければ成立しなかった、
その絵に、そこまで感動できたのではないか。

そして、絵に泣くほど感激できる、という事実は、
スタートの「美しかったから盗んだ」という言葉が、
嘘ではないことも証明している気がした。

でも、それ一発で完全に更生と行かないのが人間。
近づいた分、不安定な泥棒に振り回されたり、
画家も芸術家だけあって、自分自身も揺れたり、、。

けど、ラスト近く、戻ってきた絵を、
泥棒がフレームに手際よく貼るシーンは秀逸。
完全にスタート時点に物語が帰結している。
フィクションなら「伏線回収」ってとこなんやろうけど、
これ、ドキュメンタリーやもんなあ。
信じられんけど。
ほんま、すごいですわ。

で、最後の最後、あれはどーゆー意味なのかな?
せめて絵の中だけでも、ってことなのか、
現実もそーなったってことなのか。

一昨日、観たばかりやけど、もう一度、ゆっくり観たい映画であります。

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