ブルースがお腹に落ちてきた。BBBムービー「ブルースの魂」。
「ほんまに50年前の映画なん?」と思うくらい、
ようできた映画やった。
ドキュメンタリー的に伝説のミュージシャンたちの
演奏やインタビューの動画があって、
それだけでもブルースファンには垂涎ものなんだろうけど、
それに挟み込まれるように流れる若い黒人カップルの物語、
なんか「ブルースってこういうことなんやで」ってことが、
音楽で物語で、ズシンと感覚に訴えかけてくる。
ワシ、観る前より、ずっとブルースのこと、分かった気がしてる。
まあ、だいたい金ない、酒ない、女に逃げられた、
という満たされん部分を音楽で埋めてるんよな。
そういう意味で考えると、時代やテンポや楽器が違うだけで、
ブルースとラップって相似形なんかもしれん、と思ったりもした。
ラップの言ってることも、突き詰めたら、そういうことって気がするんよな。
ラップって、形を変えた現代のブルースなんかもしれんな、
と思ったら、少しラップが身近に感じられるような気がした。
映画は、ブルースの起源にも迫ってて、
囚人たちが労働歌として、無伴奏で歌ったりする場面もあるんやけど、
そういうの観てから観ると、
バディ・ガイとか、今まで「泥臭いのがええ」と思ってた人たちが、
凄く洗練されてるように思えるくらい、ズブズブに泥臭くて良かった。
プロミュージシャンとして出てくる中では、
この映画で初めて知ったファリー・ルイスって人が、
すんげえ、かっこよかった。
もう一回観たい映画やなあ。