ワシには、ほぼ、ヴェンダースの新作。BBBムービー「パリ、テキサス  4Kレストア版」。

公式サイト

今、「12ヶ月のシネマリレー」ってシリーズやってて、
今月の映画がこれ。

ワシ、40年前観て、むっちゃ好きやったんやけど、
頭に残ってるのは、アメリカの荒涼とした砂埃の舞う風景と、
ライ・クーダーの空気を、ゆるくかき混ぜるような音楽だけたやったので、
ほんま、初めて観る映画みたいに
「次ど〜なるん?」「ああ!そうなっちゃう?」とか、
思いながら観てしまった。
で、やっぱり、むっちゃよかった。

海馬が廃れると、ええ映画を新鮮な気持ちで観られる。
これは、加齢ゆえのお得なことなんかもしれんなあ。

しかも、この映画の良さって、40年前より、
今の方が、ずっと体に沁みてくるし。

登場人物の誰も、完全に幸せになるわけではない。
誰もが何かを失う。
けど、訳わからず、欠落したまま、離れ離れになった、あの時とは違い、
それぞれが家族と、自分と向き合って、見つめ直し、分かった上で、
何かを失う。
だから、エンディングは、悲しいのに、
なにか晴々とした印象があったりもする。

続編とか作って欲しくないけど、
この家族、あと5年後くらいには、もう一度出会って、
今度こそ、本気であの海辺でのフィルムのように、
心から愛し合ってる家族として、一緒に暮らせるんではないか、と思ったりもした。

再会した父と息子が少しずつ距離を縮めて行くシーンは、
むっちゃ好きやし、
このシーン、いろんな親子再会モノの映画に、
応用されてるよなあ、と気づいた。

ワシ、やっぱりこの頃のヴェンダースの方が好きやなあ。

てことで、映画館でいただいたポスター、
早速額縁買って、飾っております。


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