「私を見つけてくれてありがとう」という言葉が響いた。BBBムービー「悠優の君へ」。
去年上映されてた時、気になってたんやけど、
タイミング合わずに観に行けなかった。
今回、一週間だけやけど、アンコール上映されてたんで行ってみた。
うん!さすがアンコール上映されるだけある。
すごく良かった。
一時間くらいの短い映画やったけど、
二時間くらいのスタンダードサイズ、観たくらいの充実感あった。
ところどころセリフが恥ずかしいのは、
女子高生の映画を、還暦超えのおっさんが観てるんで、
仕方ないかもしれん。

何が原因かは、わからん。
原因はひとつでないかもしれない。
知らん間に、自分で作って、育ててしまったルールやルーティン、
それが結果的に自分を縛ってしまう。
そして、次第に大きくなってしまった、
名前のない空疎。
それは今のワシにもあるのだろう。
多かれ少なかれ、自分の人生と向き合うと、
できてしまうものなのかもしれない。
自分でも名前のつけられないものなのかもしれない。
そんなものなのだから、
近くにいる人にも、届きそうで届かない。
できるのは、そばにいることだけなのかもしれない。
「私を見つけてくれてありがとう」という言葉が、響いた。
痛みを抱えた人間だから、人の痛みを感じることができる。
そう思うと、自分の痛みが財産に思えてくる。
と言うのは、還暦過ぎまで生きた人間だから言えることで、
今、十代を生きてる人間に、それを言っても、
耳に届かないのだろう。
だからこそ、この二人がお互いに気付き、
少しでも生きていくのが楽になったことが、
映画の中の話だとしても、
すごく嬉しく思えた。
話変わるけど「映画は二時間がスタンダード」ってのは、
誰が決めたのだろう。
なんだかそれに合わせて、いらんエピソードとか入れてる映画が、
結構あるような気がする。
この「悠優の君へ」とか「ルックバック」とか観ると、
「ちゃんと筋があって、いらんもん省いた映画なら、
一時間でも、すげえ充実感、あるもんなんやなあ」と思い知らされる。