嗚呼、煩悩よ!お前と最期まで一緒に生きるぞ、と覚悟した。BBBムービー「敵」。
※ネタバレあります。
筒井康隆さんの原作、読んだはずやのに、全然覚えてなかった。
観終わって「そらそうやろな」と思った。
ある意味、「パーフェクトデイズ:その後」、
「リアル・パーフェクト・デイズ」かもしれん。

人生の残された時間を、きちんと把握して、
丁寧に、冷静に、規則正しく生きる元大学教授。
そこに忍び寄ってくる敵とは。
ロボットドリームスに並ぶくらい、何度も夢落ちのある映画ではあるんやけど、
怖いのは、どれが夢で、どれが現実なんか、
どんどん分からなくなっていくとこなんやろう。
若い頃に感じた後悔の念、
枯れたと思っていた欲望、
年齢とともに、決別したはずの、
自分の根元にある衝動が、
死を前にしても、いや死を前にするからこそ、
自分の中に再び大きな炎を燃やしてしまう。
人間、いくら自分で「それが正しい」と思っても、
そうきれいには生きられないし、死なれへんってことなのか。
消すためには、死ぬしかないってことなのか。
この元大学教授ですら、そうなら、
もっと俗っぽくて、凡人のワシなんて。。
ああ、煩悩よ!
もうお前を無くそうと思うのはやめよう!
一生、お前と付き合っていくぞ!
と、覚悟を決めた。
そら、たぶん原作を読んだ、高校生ぐらいのワシには、
分からんはずですわ。