「俺より、俺」(ジミー・ペイジ談)みたいな。BBBムービー「MR.JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男」。

公式サイト

なんか、鬼気迫るほどのすごい再現度。
同じギターなんはもちろん、
エフェクターや、ピックアップ、シールドにもこだわって、
ジミー・ペイジを追求する。
そのストイックな姿勢は、ほんま職人!ジミー・ペイジ職人!!

音どころか、衣装も、赤い薔薇の刺繍、観た時、
「あ!観たことある!」思ってしもた。

もちろん、メンバーにもこだわる。
途中までは、その再現性が面白くて、
楽しく観ていた。

けど、途中から、少し音に飽きてきた。
まあ、音としてはある意味、出落ちやもんな。
「すげ!ほんまにツェッペリンやん」と、
思った時が最高点で、そこからは徐々に落ちていってしまう。

ましてやワシ、プレイヤーでもないし、
ジミー・ペイジ・オンリーどころか、
ツェッペリン・オンリーでもないので、
ずっと、再現性を求める音だけだと、だんだん退屈してきた。
これなら、本物のツェッペリン、聴いた方がええしなあ、と思い始める。

他のメンバーも、同じように感じる人がいるようで、
ショーとして、観客へ受けることを目指す他のメンバーと、
あくまで、再現することに、こだわるジミーさんの間に、溝ができて、
脱退したりもする。

昔、山口晃さんが言ってたブリューゲルの父と息子の話、思い出した。
「バベルの塔」で有名で、オリジナルを描いたブリューゲル(父)と、
それを模倣したブリューゲル(息子)、
父は、その絵の向こうに自分の世界を持っていて、それを絵にしようとするから、
絵の中に、絵には描かれていない、その向こうの世界が感じられるけど、
息子は父の絵がゴールなので、絵の世界が広がらない。
そんな話だったと思う。

それと同じようなこと感じて、
ちょい音は辛くなってきたので、
途中からは、とにかく、ジミー・ペイジを追いかける、
ジミー桜井さんのドキュメンタリーとして観ることにした。

そしてら、最後にどんでん返し!
ジョン・ボーナムの息子、ジェイソン・ボーナムのバンドに呼ばれて演奏した途端、
音楽が音以上に広がり始めた。
やっぱり、ジェイソンは、息子といえど、父の真似だけでなく、
自分の世界を描いてる、ミュージシャンなんやな。
ということが、実感として伝わってきた。

音楽って、ほんまそういうことなんやろなあ。

求道的に、ジミー・ペイジの再現にこだわるジミー桜井さんの人生は、
それはそれで、すごい!と思います。
ジェイソンとの共演で、
そこから新たに、自分の音楽を求める視点が加わった彼の、
これからに期待したいです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA