「痛み」って、どんな人にもあるんやなあ。BBBムービー「リアルペイン〜心の旅」。

※ややネタバレ、あります。

公式サイト

ロードムービーにしては、さして大きなハプニングは起きない。
主人公二人も、表面上は、何も変わっていない。
なのに、 一番大切な深いところで、
なにか大きな変化が生まれたように思える大人な映画だった。
アメリカでも、こんな心の機微を描写するような映画、作れるんやなあ。

ポーランド、二人のおばあさんが、過ごした地を、
赤の他人とツアーで巡る、
ユダヤ人の従兄弟同士のロードムービー。

ベンジーの奔放で、場を読もうともしない自由気ままな行動に、
翻弄されるデヴィッド。
自分は、こんなに気を使ってるのに、
好き放題のベンジーが、ツアーの仲間に、
だんだん人気になっていくんやもんなあ。
ワシ、完全にデヴィッド側の人間なんで、
イライラするやろな〜〜と思って、感情移入しまくった。

けど、そのベンジーの奔放の裏側にある、
繊細な傷つきやすい心が、次第に伝わってくる。

ツアーの仲間も、ただベンジーの奇矯な行動に魅力を感じただけでなく、
遠慮なく、本質を突く真っ直ぐさと、
そのピュアな痛みへの感じ方に、惹かれたんやろなあ。
ツアーメンバーも一人一人、違う痛みを抱えていた。
ツアーの皆さん!あのやらかしベンジーを多めに見てくれて、
ありがとうございます!!
ツアーガイドが、別れ際にベンジーに言った言葉が、心に残った。
気がつくと、ベンジーの側に感情移入してる自分がいた。

最後にデヴィッドがベンジーに放つ平手打ち!!
あれが爽快やった。
あの一発で、デヴィッドはベンジーの持つ痛みに、
まっすぐ寄り添えるようになった気がした。
別れる空港で、あの一発が放てるようになったこと、
それこそ、この旅で、デヴィッドがベンジーから学んだことかもしれんな。

この時期の公開なので、
そのまんまだと、パレスチナに対するイスラエルのことを思い浮かべて、
この映画を素直に観られなかったかもしれない。
けど、ツアーメンバーに、
ジェノサイドから命からがら脱出したルワンダの人がいることで、
この映画は、「ユダヤ人って、第二次世界大戦で酷い目にあったね。
その心の傷は、今も続いてるんだよね」っていうだけの映画でなく、
すべての人に通じる、誰もが持つ痛みについての映画になった気がする。

デヴィッド役のジェシー・アイゼンバーグさん、
監督もしてはったようやけど、
ゴールデンラズベリー賞 最低助演男優賞受賞から、
ようここまで、立ち直って、こんなええ映画、
撮ってくれるようにならはった。
ありがとう!

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