LPジャケットが一番面白かった、あの頃。BBBムービー「ヒプノシス レコードジャケットの美学」。
ツェッペリン、ピンク・フロイド、イエス、Tレックス、ELP、ウイングス、ジェネシス、
10CC、UFO、ピーター・ガブリエル、スコーピオンズ、ゴドレイ&クレーム、UK、、、。
ワシがブリティッシュ・ロック一辺倒だった頃、
「かっこええ!」思うアルバムには、
大抵、このデザインチームの名前があった。
もちろん、複製印刷ですら、絵画なんて買う余裕のなかったこの頃、
かっこええジャケットのLPは、インテリアとしても貴重だった。
2017年に、グランフロントでやってた、
「世界を変えたレコード展」でも、
ワシの好きなジャケットだけ写真撮ってると、
かなりの割合で、ヒプノシス作品を選んでた。
そのヒプノシスのドキュメンタリー映画が公開中だ。

この映画のために撮り下ろしたものや、ライブラリー的映像で、
あの時代を浮き彫りにする。
元メンバーでご健在のオーブリー・パウエルはもちろん、
亡くなったボス、ストーム・ソーガソンや、ピーター・クリストファーソンも、
昔のインタビューで出てくる。
ミュージシャンも、ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズ、
デヴィッド・ギルモア、ニック・メイスン、
ツェッペリンのジミー・ペイジ、ロバート・プラント、
ポール・マッカートニー、ピーター・ガブリエル、10CCのグレアム・グールドマン、
遅れてきた世代代表だろうか、オアシスのノエル・ギャラガーまで登場する。
おまけにワシがブリティッシュ・ジャケット・デザイン界の二大巨頭やと思ってた、もう一人、
ロジャー・ディーンまで登場した。
仲良かったんやね。
知らんかった。
ヒプノシスと言えば、ワシ的にまず頭に浮かぶのが、
ピンク・フロイドなんやけど、
そもそも、ストーム・ソーガソンがシド・バレットと同級生だったり、
ロジャー・ウォーターズとラグビー仲間だったりした縁から、
このチームが始まったことは、知らんかった。
それどころか「ヒプノシス」ってネーミング自体、
シド・バレットが絡んでるとは。
最初は、ワシが知り合いのCDの制作、ときどき手伝ってるみたいな、
友達の内輪乗りやったんやなあ。
しかも、かなりお行儀のよろしくない方向の。
けど、ピンク・フロイドが大ブレークした時期と、
レコード産業の拡大の時期が重なって、
このアーティスティックなジャケットを制作する集団は、
その芸術性をどんどん高めて行き、
大物ミュージシャンからひっぱりだこになる。
この時代、一番アートしてたんは、
実はレコードジャケットやったんかもな。
それと並行して、制作費も爆上がり。
ツェッペリンの「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」とか、
六種類のジャケットやったもんな。
それが、紙袋入ってて、どのジャケットかは、
買って、紙袋開けるまで分からん。
ほとんどガチャガチャの感覚やな。
ワシは、もちろんコンプリートなんて、
考えられるはずもなく、
一種類のジャケットしか持ってなかった。
このチームの解散が1983年というのも、象徴的やなあ。
MVが人気になって、音楽がアルバム単位ではなく、
曲単位で売れるようになったこともあるやろうけど、
決定的なのは、CDに普及かもしれんな。
あの大きさやと、そこまでジャケットにお金かけられへんもんな。
ワシが大学の頃、12インチシングルとか流行ったけど、
あれって、もしかしたら、曲単位で売れ始めた音楽業界で、
ジャケットサイズを守る抵抗手段って側面もあったのかな?
それも、結局、CDの普及に飲み込まれちゃうんやけど。
最近の若い人たちは、ストリーミングで音楽聴くので、
「ジャケット」という概念すら、ハナっからないらしい。
「ジャケットがいいアルバムは音楽もいい」と信じて、
「ジャケ買い」で、音楽広げていった世代としては、
悲しい限りです。
そんな、いろんなこと思い出しながら、この映画観てたんで、
なんかむちゃくちゃ楽しい時間過ごせました。
ピンク・フロイドのスタジオに現れたシド・バレットの話、
読んだことはあったんやけど、
その現場にいた人の口から聞けたのも嬉しかったです。
そう言えば、ユーミンも、ヒプノシスのデザインでLP出してたよな。


