神話の再生を映像メディアでやったのかもしれない。BBBムービー「鹿の国」。

公式サイト
諏訪大社を中心に諏訪地方に伝わる鹿にまつわる神事。
鹿島にしろ、春日にしろ、昔の日本には、
鹿との繋がりを感じさせるものが多い。
牛や馬が大陸からもたらされる前、
日本では四つ足の大型哺乳類と言えば、鹿だったのかもしれないな。
もちろん、鹿は、重要なタンパク源でもあったのだろう。
特に諏訪など、内陸の土地においては。

淡々と、神事と生活が綴られていく。
今の生活の中にも、当たり前のように神様が存在し、
神仏は、分かちようもなく、入り混じっている。
これこそが、日本的宗教感なのだろう。
改めて、明治政府のやったことの不自然さを感じる。

四本の御柱の意味は諸説あるようだけど、
映画の中で語らえてた説は、初めて聴いた。
人間は、結局は、他の生き物を殺生しなければ、生きていけない。
植物も生き物と考えれば、どうやろうと、
殺生が人間の生きる根底にあるのだろう。
その罪深さを自覚して、せめてもの許しを乞うための御柱。

この映画のために撮り下ろした映像なのに、
何か、古い映像を掘り起こして観ているような感覚になった。
なにか、神話を再び、この世の中に再生しているのを、
目の当たりにしてるような気持ちなのかもしれない。
日常を撮っていても、どこか、そういう神秘的な世界と、
繋がっている生活に見えてくる。

今まで、口伝や文字、絵画で伝えられてきた神話を、
映像という現代ならではのメディアで、
伝えようとする試みなのかもしれない。

もう映像だけで、それくらい幻想的なので、
女性ナレーションは、もう少し淡々として欲しかった気もする。
情感たっぷりすぎて、「そこまでせんでも、ええのに」と思ってしまった。
ナレーションが情感溢れすぎてると、
観てる方、ちょっと引いてまうんよなあ。
池田昌子さんや、島本須美さんみたいな、
淡々として、味わいのあるナレーションが、
ワシ的には合ってる気がした。
いとうせいこうさんのナレーションはすげえ良かった。

けっこう、スーパー、きちんと入れてるのに、
肝心なキーワードをスーパーにしてくれてないところが、
いくつかあって、ちょっとストレス。
漢字でどう書くのとか、気になったなあ。

ただのドキュメンタリーというよりは、
ひとつの文芸作品を観たような味わい深い映画だった。

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