それぞれにみんなドロドロを抱えてるんだろうか。BBBムービー「奇麗な、悪」。

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「すごいもん作ったる」という鼻息がすごい。
演技、脚本、演出、撮影、照明、美術、
いろんな側面のテクニック披露大会みたいな感じと、
そういうとき、必ず出てくるナルシスティックな匂いが鼻にはつくけど、
一時間ちょい、退屈させることなく、
ワンシチュエーションで、展開する技量は、大したもん。
まあ、なんとなく、古臭い感じはあったけど。

けど、終わってみてから振り返ると、
ストーリー自体は、そんなにおもろないかも、と思ってしまった。

ワシは、メインの一人語り部分より、
始まりと終わりの、雑踏がなんか怖かった。

昔、京都駅だったか、大阪駅だったか、渋谷駅だったかもしれんが、
雑踏の中、階段登って行く人たちを見て、
「このたくさんの人がみんなワシと同じように、
ドロドロを抱えながら、いろんな体験しながら生きてるんや」
思うと、立ってられないくらい、気分が悪くなったことがあった。
その頃のワシは、抱えきれないぐらいの自分のドロドロと、
恥ずかしい過去に、押しつぶされそうになってた。
ワシが人混みが苦手になったのは、その時以来かもしれない。
あのシーンで、そのことを思い出したんだろう。

そう思うと、悲惨ではあるし、
ワシの人生では起こったことないことではあるけど、
それほど面白くないストーリーも計算されてるのかもしれない、
とも思った。

誰でも彼でも、多かれ少なかれ、
この告白のような、ドロドロはあるのだ、ということなのかもしれない。

一人しかいないのに、他に誰かがいるような気配は、
かなり面白かった。
メインの一人語りの部分を乗り切れたのは、
その気配のおかげかもしれない。

あと、心療内科とか心理学の人が、
人間を分類しようとし過ぎるって、とこには共感。

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