あの頃のヒリヒリする生き方を象徴するような伝記映画。BBBムービー「レイブンズ」。
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自身の運命を決定づけるような、
まだ家父長制が強く生き残っていた時代の父との相剋、
被写体としての妻と、人間としての妻との間で揺れる心、
妻も含め、いろんなものと激しく向き合うけど、
カメラを通してしか向き合えない自分へのある種の嫌悪感、
そして自分を投影したかのようなカラスとの関係。

深瀬昌久というカメラマンのこと、
カラスの写真くらいしか知らなかったけど、
彼の内面を抉るように描いた、すごい映画やと思った。
主役の浅野忠信さんが凄い!
ナイスキャスティング、というより、
浅野さん抜きでは、この映画は成立しなかったのではないかと思う。
それくらい、役になりきって、無頼な深瀬昌久さんを蘇らせていた。
周りを固める瀧内公美さんや古舘寛治さん、池松壮亮さんも、
すごくええ芝居してて、
皆さん、この映画に出られることを喜んでおられる気がした。
自分の分身のような鴉人間もええ役回りしてるし、
音楽が、あの頃の時代を感じさせて、ヒリヒリとした滑りを、
映画に与えてる気がした。
1970年代〜80年代、その頃のカルチャーに染まった人なら、
きっと共感できる、
あの時代にしかなかったものを、
描いている気がした。
そんなにヒットする映画ではないかもしれないけど、
確実に、残る映画じゃないかと思う。
ワシと同じ世代、少し上の世代、
その頃のカルチャーに興味あって人に、
ぜひ観てほしい映画やと思った。

