「この世界の片隅に」的プローチで描く光州事件かな。BBBムービー「1980 僕たちの光州事件」。

公式サイト
1980年5月と言うと、ワシが高校3年生。
それなりに映像メディアも発達してる時代なので、
その時代の事件を扱うなら、
ドキュメンタリーに勝るものはない、
と思っていたのだが、
この映画のような描き方って、ドキュメンタリーではできないなあ。
そこは「技あり」な手法だと思う。

光州事件については、ワシもいろいろ映画やドキュメンタリー番組観たし、
それで興味持って調べもしたので、
ある程度の知識はあるのだが、
この映画は、その事件当時の普通の家族が、
どう事件に巻き込まれていったか、
主にその一家の少年の目から描いている。

ちょっとコミカルなタッチも入るスットコドッコイな日常に、
ズカズカと入り込んで行く内戦。
中でも少年のおじさんに襲いかかる不幸は、
ちょっと目を背けたくなるほど厳しい。

同じ建物に軍人の家族が住んでる設定は、
うまく考えたもんやと思う。
家族に罪はないのに、軍人すら命令で動かされているのに、
亀裂が入らざるを得ない状況。
ほんまに戦争というのは、悪人を作り出してしまうんやな。

この映画、モデルになる家族があるようやけど、
この軍人家族も、元々あった話なのかな。
その部分はフィクションにしても、
十分にあり得る話だとは思う。

事件の全体像云々は、ともかく、
家族の視点から、この事件を描くことで、
どこにでもある普通の家族に襲いかかる不幸や恐怖が、
痛みを持って伝わる。

そういう意味では、この映画は「この世界の片隅に」と、
同じアプローチなのかもしれない。

内戦でも国対国の戦争でも、
犠牲になるのは、軍人だけではない。
こういうどこにでもあるような家族も、
背負う必要のない痛みでズタズタになる。
ということを、皆が肝に銘じなければならん。
特に、為政者。
けど、その為政者ってのは、
こういう家族や軍人のことを、数としてしか見られない人種なんよなあ。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA