なんつー皮肉なタイトルなんやろ。BBBムービー「満ち足りた家族」。

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めちゃくちゃ怖い映画やった。
ちょっと上流かもしれないけど、
どこにでもありそうな家族、
どこにでも、いそうな男の子と、女の子、
そして、その両親。

拝金主義、利己主義、ジェネレーションギャップが絡み合い、
誰一人、子供のことも、親のことも、配偶者のことも、
兄のことも、弟のことも、顧みてないように思える。
最終的には、自分のことしか、考えてないのかもしれない。
親が必死で子供をかばうのも、
もしかしたら、子どものためと言うより、自分のためなのかもしれない。

そんな中で、兄と弟の意見が、微妙にすれ違っていく様が、
巧みに描かれている。
それが、ほんまに面白い。
すごく考え抜かれた脚本やなあ。

舞台は韓国だけど、これは日本はもちろん、
今の時代、全世界に共通する話なんやと思う。
コミュニケーションの手段は、格段に増えてるのに、
根っこからの意思疎通は、どんどんできなくなってきて、
子どもも、自分一人で自分のことを守らざるを得なくなって、
その結果、人のことを思いやる気持ちなど、
無くしてしまってるのかもしれない。
親も「利用する存在」として認識されてる気がする。

あんなに大変なことしてしまってるのに、
「財布、落としてしもた」くらいの気持ちしかないように思える
子どもたちが、ほんまに怖くなってしもた。

そして、衝撃のラストシーン。
救いのない映画だけど、
分かりやすくオチをつけるより、
映画としても上質やし、
観る人に自分で考える意識を植え付けて気がして、
「最後まで、よう考えてあるなあ」と、感心してしまった。

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