歴史映画として観るなかれ。BBBムービー「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」。

公式サイト
観なくちゃいけない映画だと思って、観て来たけど、
なんとも後味の悪い映画だった。
いや、後味どころか、観てる間、ずっと嫌な味が舌を覆っていた気がする。

事実を編集して、違う事実に見せかけるだけでなく、
嘘を喧伝して、事実に見せかけてしまう。
「こんなバカなことを、なぜ当時のドイツ国民は信じてしまうのか」
とも思ったりもしたが、
ふと振り返ると、これは、今まさに日本で行われていること、
世界中に、はびこることと、
本質的には何も変わらないのではないか、と気づいた。

嫌な味の正体は、これだったのか。
今も、ニュースを見るたびに感じる、あの嫌な感じ。
あれと共通のものを、ワシは感じていたのか。

今、ゲッペルスが生きてたら、確実にSNSを駆使して、
自分に都合のいい嘘を真実に仕立て上げるだろう。

ワシらは、このゲッペルスの所業を教訓に、
騙されることのない社会を築きあげるべきなのに、
今もなお、現代のゲッペルスのような存在に、踊らされている。

映画は、当時の映像と、今回の映画のために撮った映像を、
巧みに織り交ぜて、リアリティを醸し出し、
これが、決して80年前の昔話でない、
今まさに進行中の現実であることを感じさせる。

アウシュビッツを生き抜いた化学者にして作家、
イスラエルのパレスチナ政策に激しく反対の意を唱え、
1987年に亡くなったプリーモ・レーヴィの言葉がこだまする。
「それは起きた。また起きるかもしれない。それこそを伝えるべきだ。」
まだ世界は、ゲッペルスの悪夢から、
覚めてないのかもしれない。

ひとつ、不可解だったのは、彼がなぜ、
子どもたちも道連れに、この世をさったのか、ということ。
ナチスのいない世界、連合国に支配された世界に、
子どもたちを置いて行きたくなかったのか。
だとしたら、彼は、自分をも、騙していたのかもしれない、
という気がした。

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