NHK 100分de名著。マーガレット・アトウッド「侍女の物語」「誓願」。


昨日から始まったNHKの番組「100分de名著」6月の本は、
マーガレット・アトウッドの「侍女の物語」と「誓願」。
恥ずかしながら、名前も存じ上げない作家さんだったのだが、
すごく面白くて、オンエアで一回、録画でもう一回、
この文章を書くために、もう一回、既に3回観てしまった。
4回、全編終了したら、もう一度、最初から通しで観てみようと思う。
2009年、「人類は伝染病を克服した」と言われてた時代に、
パンデミックを描いた「洪水の年」を書いたり、
老齢化社会を描いたり、
社会問題を先取りしたような作品を、書いてきたため、
「予言する作家」と言われているらしい。

けど、本人としては「予言」ではなく、
社会にあるのに、あまり顧みられてない問題、
弱いもの、虐げられたものに焦点を当てて、本質を顕在化して、
その問題の向こうに可能性としてある世界を描いているのだ、
と仰っているらしい。
すごく納得した。
根拠のない、ダーク・ファンタジーではなく、
事実をベースにあり得る世界を描く、ディストピア小説なのだな。
そして、この「侍女の物語」、その30年以上あとに書かれた続編「誓願」は、
原理主義的な宗教が政治を牛耳った元アメリカ、
「ギレアデ共和国」が、女性を徹底的にモノ化していく世界を描く。
その前提となる社会のあり方が、今のアメリカ、どころか、
今の日本にも酷似していて、空恐ろしくなってしまう。
一回見ただけで、グググっと惹きつけられてしまった。
怖いけど、続きを観ないわけにはいかない。
「人は空が落ちると言われても、
実際に、その欠片が落ちてくるまでは信じない。」
今現在を生きてる人間には、今世界で何が起こってるか、
そこにある危険が、見えていない。
ユートピアは、ディストピアにひっくり返る。
なにか、ひとつひとつの言葉や視点が、
痛いほど、自分に突き刺さってくる。
小説内のセリフで「あなた方にはまだ、これが普段の生活だと
思えないかもしれませんが、しばらくすればそうなります。
これが日常になるのです。」という文章があるらしいのだが、
ほんと、そうやなあ、と思う。
こういう毎日を積み重ねてしまうと、
いつの間にか、誰も望んでなかったはずの戦争が、
始まってしまうのかもしれない。
フランク・パヴロフ とヴィンセント・ギャロの
「茶色の朝」を思い出した。
この話の時に、伊集院光さんが、
ブルーハーツの「ロクデナシ」の歌詞を、紹介されてた。
「痛みは初めのうちだけ 慣れてしまえば大丈夫
そんな事 言えるアナタは ヒットラーにもなれるだろう」
ここで、この歌詞を思い出して結びつける伊集院さんもすごいし、
20代半ばで、ここまで看破した真島昌利さんも、すごいなあ。
「侍女の物語」はこちらから、「誓願」はこちらから、
「洪水の年」はこちらから、入手できます。
って、ワシもまだ読んでないのですが。
番組最後まで観たら、購入して読もうと思います。

