ぜひ読んでください。フランク・パヴロフ &ヴィンセント・ギャロ「茶色の朝」。

今日、病院で待ち時間の間に読んでた本、
フランク・パヴロフ原作の「茶色の朝」、
素晴らしい本でした。
原文はフランス語なんですが、多分、その原文も、
リズム感やメロディ感のある詩のような名文なんやろな、
ということが感じられる、藤本一勇さんの日本語訳です。
つまり日本語訳も、抑揚やリズム感が美しい。

あとから付けたらしいヴィンセント・ギャロのイラストも味があるし、
それをどの文章の後に入れる、という構成も、
元の文章の持ってる詩的なリズム感を、更に盛り上げてて、
名著を、さらなる高みに持ち上げてる気がします。

そして、なにより、その内容です。

詩的な文章ですが、この世の中が、
知らないうちに、狭められていく様子は、
恐ろしいほどリアルです。

「なんで昔の人は、ナチズムや大政翼賛会なんて、
どう考えてもおかしいものを良しとしたのだろう」という
いくら考えても分からなかった秘密を、自然に解き明かしてもらった気がします。

ワシは「物分りのいいやつ」には、絶対にならないでおこう。
少しでも「おかしい」と思ったら、声を上げるようにしよう。
「あの人達も、国民のこと思ってやってるのだから」とか、
「流れにまかせておいたら、はみ出さないでおいたら、まあ大丈夫」とか、
絶対に思うまい。
ひとつひとつ、自分で考えて、判断していかなければ。

今の社会も、すでに茶色になりつつある気がする。
そして日本という国、この地域に住む人の「お上意識」という習性を考えると、
この国は、原作が書かれたフランス以上に、
茶色化しやすい社会やと思います。

高橋哲哉さんの素晴らしい解説含めても30分もあれば読めると思います。
ひとりでも多くの人に、すぐにでもこの本を読んでほしいと思いました。
内容ももちろん、文章の美しさ、イラストの素晴らしさ、装丁に至るまで、
オススメの本でございます。

もっと前に知ってたかったなあ、
と心の底から思いました。

なんだか騒動が、峠を越したかに思える今やからこそ、
思い出しておきたい本。
同調圧力、事なかれ主義、お上への無批判な信頼、
その結果の思考停止。
この世の中が茶色に染まることがありませんように。
そのことを美しい文と絵で伝えてくれる名作やと思います。
(20230412記)


長いものに巻かれない、思考停止せず、
何事も自分で考える、ということが、
ひいては戦争をなくすことに繋がるのかもしれない。
6年前に記事を読んで、
2年前、内容を噛み締めながら読んだ本の話。
(20230615記)

数年前なら、今の選挙の状況とか、
行政のやってること、
「そんなアホな」と笑い飛ばしてたかもしれない。

それが当たり前のように、まかり通る日常。
ワシらの朝は少しずつ、
茶色に染まってるのかもしれない。
(20250412記)

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