生きていくことは汚い。だけどその汚さと向き合い生きていくことは美しい。BBBムービー「WILL」。
東出昌大さん、役者としては好きで出演映画、けっこうよく観てるけど、
個人のこと、あまり知らんかったので、
不倫とかの話が出てきても「そうだっけ?」って感じでした。
映画観てると、けっこう話題になってたみたいですね。

その東出さんが、一人で山に入って猟をするドキュメンタリーという認識で、
予告編も言葉の少ない感じやったんで、
ストイックで、静かな映画やと想像してて、
眠気との戦い、覚悟してたんやけど、
東出さんって、けっこう喋る人なんやね。
周りの人たちも、子どもたちも、
賑やかで、眠くなることなど、全然ない映画やった。
「人は何かの命を奪いながら生きていく。
生きていくことは汚い、けどその汚さと向き合い、
それでも生きていくことは、美しい。」
みたいなそのことは、すごく共感した。
のだが、そんな感じのことを、
ちょっとベタつくロマンチックな言葉で飾るMOROHAさんの言葉は、
ワシにはちょっとキツかった。
実はMOROHAさんの音楽をしっかり聴いたのも初めてだった。
役者としての映画は、少し前に観たんやけど。
ラップと言うよりは、リーディングに思えた。
言葉はともかく演奏は良かったなあ。
ある時は友川カズキさんっぽく、
声の質と高さと裏返りかたはタージンさんっぽいと思ってしまった。
ギターがすごく気持ちよかった。
動物の死を、自分が招いた動物の死を見つめることは、
自分の死も、見つめることになるのかも知れない。
いろんな方向から、死を見つめ、
死を見つめることで、生を考える映画やったんやと思う。
東出さん、きっと人間的に魅力のある人なんやろな。
最初は、自分のゴシップを狙ってたような、
週刊誌記者とも仲良くなったり。
やはり人間同士の生のコミュニケーションの力って、
すごいんやと思う。
そういうコミュニケーションを、
東出さんは、動物とも、やってるのかもしれんな、と思った。
一方通行やとしても。
ワシ、スプラッタな映像って、苦手なんやけど、
動物解体のシーンとかが、
バンバン出てくるこの映画、
意外にも、それほど「怖っ!」ってならんかったなあ。
東出さんの目を通して観てたからかなあ。
思ったのとは、ちょっと違ってたけど、
面白い映画、観ました。