確かに、すごい没入感。救急隊員の直面する過酷な現実。BBBムービー「アスファルト・シティ」。

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あまり予備知識もなく、
ときどきテレビ番組でやってる「救急救命24時間」みたいな、
救急現場のリアルを物語化したものか、
新人救命士がベテラン救命士に教わって一人前になる成長譚か、
ダイハード的なパニックものか、とか思って観に行ったら、
そのどれでも、なかった。

アメリカでは、救急隊員の自殺率がすごく高いらしい。
その心を病む状況を、リアルに描いた、ある意味救いのない映画やった。

ショーン・ペンさんの存在感がすごい。
ベテラン救命士やのに、日頃の過酷な救命状況、
家族の問題などが重なって、どんどん疲弊していく様子が、
その顔からだけで、伝わってくる。

日々、犯罪の多発するニューヨークのハーレム、
運ぶ人たちは、薬物中毒だったり、
抗争で撃たれた奴だったり。
そんな中で、価値観が揺らぐのは、
人間だと不可抗力なのかもしれない。
経験が長ければ、長いほど、その揺らぎは大きくなるのか。

そんな中に掘り出された、救急に夢を託し、
医者を目指す青年が、正義感と現実に苛まれて、
ついふらっと、死への誘いに乗っかりそうになるのも、
悲しいけど、分かる気がする。

本当に、息が詰まるくらいきつい映画だけど、
見なければならない現実が、ここにあるのだと思う。

予告編にもあるように、確かにすごい没入感。
最近、没入感って言葉、よく見かけるけど、
スクリーンが体の三面や四面を取り囲んでて、
「没入感」ってのには、すごく違和感を感じていた。
この映画みたいに、一面のスクリーンに映ってるのに、
自分がその中にいるように感じてしまうことこそ、
本物の没入感やと思う。

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