100メートルという短距離だからこそ、凝縮できた「生き方」を描く映画。BBBムービー「ひゃくえむ。」。
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最初は、「スポーツ成功青春物語」みたいな映画かな?
と思って観ていた。
ところが、、、。
こんなに深い映画だったとは。
どんどん予想が裏切られていくのが、気持ちよかった。

ある意味、「生きる」ということを、
100メートルという短距離走に凝縮したような映画。
スポーツの中で、一番それを一瞬に凝縮できるのが、
この短距離走ということやったんやなあ。
そう言えば、今まで100メートル走をモチーフにした物語って、
あまりなかった気がするけど、
その短さを逆手にとって、人生論や哲学にまで、
高める手法、すごく斬新に感じた。
そのひとつの証拠として、映画の中で、
記録に関しては、ほぼ明らかにされない。
「そこやないよ!」とはっきりと明言してるようで、潔いと思った。
同じ文脈で、終わり方も素晴らしかった。
「勝ったかどうかの物語やないよ!」と言い切ってる。
だからこそ、主人公の、ライバルの、
その周りの人、すべての生き方が見えてくる。
これほど、すべての登場人物の存在に意味のある物語も、
なかなかない気がする。
原作が読みたくなったなあ。
だからと言って、理屈っぽく、難しい映画では全然なく、
どの場面も、均等感にあふれていて、
ワクワクしながら、展開を見守っていた。
アニメーションとしての表現の巧みさも、
そのワクワクの大きな要素のひとつだと思う。
象徴的なロトスコープ使いまくりの動画が公開されていた。
こういう動的な映像も、ドキドキしたのだが、
そう動きなくても、体型や肉付きや姿勢、
仕草のひとつひとつがリアルで、
「ああ!わしの知り合いのあいつ、こんな動きする!」
みたいな既視感が、随所にあった。
音楽の使い方も、良かったなあ。
何方かと言うと、音楽の少ない映画で、
音楽のないからこその緊張感が、すごくドキドキさせてくれるんやけど、
使うところでは、効果的に使って、そのドキドキを何倍にも
増幅させてくれる。
その割に、エンディングの音楽、チョイありきたりやなあ、
思ってたら、あれがOfficial髭男dismってバンドの音楽なんやね。
やっぱり、ワシ、ああいうのは苦手なんやなあ、と、
改めて思いました。
好きな人には、たまらん演出やったんでしょうね。
映画には関係ないんやけど、ひとつ苦言を言うと、
アニメーション作品やからって、
予告編、アニメ映画ばかり集めるの、辞めてほしいなあ。
この映画とは似ても似つかない美少女モノとか、
SFモノとか、たんまり流されて、
かなりウンザリしてしまいました。

