「自己責任」という言葉の大きな罪。BBBムービー「スノードロップ」。
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なんて苦しい話なのか。
よくある社会制度の網の目から、こぼれ落ちる
生活困窮者の映画ではない。
悪い人は、基本的には出てこない。
必死で生きようとする人、
社会保障制度も、それを助けようとするのに、、、。

「生活保護を受けるのは、恥ずかしいこと」なんて風潮、
いつの間に生まれたんだろう。
せっかく、基本的人権を守るための制度があるのに、
役所の方も、その制度を駆使して、
生活困窮者と心を通わせあって、
その人たちを守ろとするのに、
それを受けるべき人々が、自分でそのことを恥じてしまい、
その結果、、。
思うに、こういう風潮が流布して来たのと、
ワシの大嫌いな「自己責任」という言葉を
多くの人が口にするようになった動きは、
無関係ではないと思う。
映画の内容に戻ろう。
もう、最初から最後まで、間が恐ろしい。
なんかすぐそこに不幸が待ってるような空気が
映画全編に張り巡らされている。
繊細な心理描写、
オーソドックスやけど、静謐で、美しい絵が、
音楽が、
すべて恐ろしさに繋がってる気がした。
主演の女優さん、あんなに不幸の似合う女優さん、
なかなかおらんような気がする。
あのおでこジワには、ほんと驚いた。
自分でもやってみたけど、思いっきり顔をしかめても、
あんなシワ、できんなあ。
いろんな人が手を差し伸べてるのに、
自らその手を振り払ってしまう主人公とその家族。
生活保護の意味を、改めて問う、
すごく社会的な映画なんやと思う。
昔、よく仕事させて頂いた「はな」さんが、
ラストの方で出てきて、すごくはなさんらしい演技をしてるのが、
個人的には、すごい救いになった気がした。
あと、エンディング・ソングの浜田真理子さんの曲は、
この映画の中にあった、すべての悲しみを引き受けて、
包み込んで、曲の中に閉じ込めてくれるような、
慈愛に満ちた音楽で、辛かったこの映画に、
少しの希望と許しを感じさせてくれて、本当に助かった気がした。
少し、よく分からなかったのは、最初のシーン。
出て行ったのって、お母さんじゃなかったっけ?
主人公と姉とを残して、妹連れて行かなかったっけ?
なんか、ワシの勘違いやったんやろか。
【余談】
映画の途中、猫の鳴き声が聞こえて、
「ん?猫なんて、スクリーンにはおらんけど」思ったら、
猫をケージに入れて観てる方がおられた。
なんぼ、おとなしい猫でも、
劇場に入れちゃうのはなあ。
預かってくれるサービスとか、あればいいのにね。

