主人公、制作者、観客、それぞれが「言葉の檻」を静かに超える。BBBムービー「旅と日々」。

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つげ義春の原作を、よくこんだけ噛み砕いて、
二作をひとつにまとめてくれたなあ、と感心。
舞台を現代に移しながら、
なんとなく昔話観てるような、浮遊感もあるし、
つげさんの原作の持つ、ムードやリズムを、守ってくれてるのも、
つげ義春ファンとしては嬉しい限り。

いろんなところに散りばめられた、ほんのりと漂うユーモア、
と言うか、おかしみ、そうそう!それよ!と思わず声出しそうになりました。

ストーリーの構成上、仕方のないことかもしれないけど、
前半の劇中劇が、ストーリーとしては、本当にあまり面白くなくて、
消化不良に思えてしまったのが、観てる時は残念やったんですが、
観終わると「なるほど」そういうことやったんか!
と、感心しました。

はっきり言って、テーマは、よく分からんかったんですが、
主人公が口にした「言葉の檻」みたいな感じは、
ワシもよく感じるものなので、そこは、すごく共感しました。

何か、名前のつけられないモワッと湧いてくる感情、
けど、それを理解しようとすると、
結局、言葉に翻訳せざるを得ないもどかしさ。
主人公も、それを感じてるし、
制作者も、それを突き抜けるために、
セリフの少ない、この映画を作ってる気がしました。

主人公、制作者、観客、
それぞれが「言葉の檻」を、
静かに越えようとする映画なのかも。

その言葉の檻を越えようとする手段のひとつだからか、
音楽は、派手ではないけど、
すごく丁寧に、置かれていて、
主人公、他の役柄、絵面全体を、
感覚として、理解させるのに、
すごく役立ってる気がしました。

観応えのある、大人の映画でした。
こんな映画が、ヒットしてほしいなあ。

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