本当の愚か者は、誰なんだろう。BBBムービー「愚か者の身分」。
公式サイト
ちょっとワシの生きてる世界から想像できない世界過ぎて、
なかなか物語に入って行けなかったけど、
自分の生きてる世界の、すぐ横に、
こんな世界があるのかもしれない、と思うと、
むちゃくちゃ、怖くなってしまった。

北村匠海さんも、綾瀬剛さんも良い演技してるんやけど、
一番印象に残ったのは、林裕太さん演じるマモルの、
真っ直ぐで、子犬のような目線だった。
救いのない人生で、初めて巡り会ったタクヤという
自分を認めてくれる存在を、
心から信用し切った、濁りのない目。
自分のやってること、犯罪とわかってながらも、
タクヤについていくことで、彼の世界に、
初めて光がさしたのだろう。
そして、タクヤが撫でようとして手を上げるだけで、
身構えてしまうときの怯えた視線。
それだけで、彼がどんな人生を送って来たのか、
一瞬で感じられて、雄弁なシーンやなあ、思った。
信用してるタクヤでも、いつ敵になるか分からないという、
悲しい防衛本能と経験値。
彼らを「愚か者」と言ってしまって良いのだろうか。
もし「愚か者」だとしたら、彼らは他にどんな選択肢があったのだろう。
その選択肢を用意できなかった社会こそが、
「愚か者」であるのかもしれない、と思った。
タイトルでついでに言うと、
「身分」という言葉が、少し引っかかった。
どういう意味で使ってるんだろう。
「身分制度」的に、「生まれついてのもので、
自分の努力では変えられないもの」として使ってるのなら、
かなり時代錯誤で、あまりに悲しすぎる。
「半グレの分際で」的な意味で使ってるのなら、
ちょっと安易な使い方な気もする。
いずれにしても、ワシの納得できる解釈には至らなかった。
あと、ワシ、血を見るのが苦手、ってこともあるのだが、
闇の臓器移植とかの話になると、
ちょっと、ついて行けない感じがあったなあ。
それと、終わり方。「ああ、結局、それで終わるのか」って気がして、
基本的には、人気役者のでてるノワール映画やなあ、
思ったりもしたんやけど、
観てる間は、十分に楽しめる映画でした。

