人は、ただ生まれ、ただ生きて、ただ死んでいく。BBBムービー「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」。

公式サイト
エドワード・ヤンさんの遺作らしい。
まだ観てなかったエドワード・ヤンさんの作品を観られるってだけで、
かなりワクワクした。
そして、その期待は裏切られなかった。

かなりドロドロだったり、悲惨だったり、ノスタルジックだったりする、
三角関係も絡む三つの恋、そしてその渦の中心にいる家族と、
亡くなりそうな、その家族の祖母。
こう書くと、ものすごく複雑そうなんやけど、
観てて、そんなややこしさは、それほど感じない。
かなりエグいシーンや関係もあるのだが、
全体のイメージとしては、静かで爽やかだったりする。
こんなマジックみたいなこと、やってしまうのが、
エドワード・ヤンさんなんやなあ。

その家族の弟、ヤンヤンの目を通して語られるこの世界、その人間関係は、
一見複雑だけど、少し距離を置いて見ると、
すごくシンプルにも感じられる。
ヤンヤンという、この世界のその複雑な関係にまだ入り込んでいない、
入口に立ってる少年の目から見るから、
その複雑さとシンプルさが、矛盾なく感じられるのかもしれない。
そして、その出口にいる祖母の存在。
もう嫉妬するほど、上手すぎる。

人は、ただ生まれ、ただ生きて、ただ死んでいく。
その無情とも言える時間の中に、悲しみがあり、
悲しみがあるからこそ、喜びもある。
人生なんて、ただそれだけのことなのかもしれない。

ヤンヤンの言葉が、ひとつひとつ哲学的で面白い。
けど、かと言って、ヤンヤンはこまっしゃくれた、
賢さをひけらかすような子どもではない。
いかにも子どもが言いそうな、子どもらしい、純粋な疑問が、
自ら、自分の生き方を複雑にしてしまってるワシらのような大人には、
哲学的に聞こえてしまうのかもしれない。

こんな言葉を紡ぎ出せるエドワード・ヤンさんって、
ほんまにすごいなあ。
きっとヤンヤンは、エドワード・ヤンさんの分身なのだろう。
エドワード・ヤンさんが思う、幸せになるために必要なシンプルな疑問が、
ヤンヤンの口から、溢れ出してるのだと思う。
もっともっとエドワード・ヤンさんの言葉を聴きたかったなあ。

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