ワシには、きつ過ぎました。BBBムービー「たしかにあった幻」。

※否定的な内容を含みます。

公式サイト
近年の河瀬直美さんの活動には、共感できるものは、あまりないのだけど、
肝心の映画はどうだろうと思って、観に行ってみた。

うーむ、社会的に問題にすべき、ふたつの主題が、
交わってるようで、交わってないようにも思えるし、
テーマに対しての結論も、見えないまま終わってしまった。

そこは観る人の判断にまかす、
「交点は自分で探せ」「結論は自分で考えろ」的な終わり方、
これをやると、ある程度高尚には見える気がするけど、
もう、使い古された感があって、
今や、中途半端に古くて、ダサい気がする。
観てる人に考えさすのもええんやけど、
それは自分なりの答え、あってからの話やと思う。
それか、「これって答えでないよね?」的問題の時の、投げかけか。
この映画は、そのどっちとも思えなかった。
「自分はどこまで考えてるん?」と聞きたくなってしまった。

社会性のあるテーマをモチーフに、本物の、
関係者に聞いた、芝居じゃない話や、
リアルな心臓移植場面を使う。
それ以外でも、ドキュメンタリーのように思えるドラマを挟む、
そういうリアリティの作り方は、
河瀬さんらしくて、ええと思うんやけど、
そこにイメージ映像みたいなんまで混じると、
なんだか、ドキュメンタリー部分まで、ぼやけてくるよなあ。

だいたい、子どもの脳死を含めた心臓移植手術の話と、
恋人の失踪の話、二つが並行に進む構造って必要なの?
ごちゃごちゃしてるだけじゃない?
もうちょっと、整理できなかったのかなあ。

そもそもの設定が、フランス人女医というのもなあ。
日本語カタコトで、話すどころか聞き取りもままならない、
フランス人医師が、小児科担当になって、
子どもに、フランス語や英語で話しかける。
2人きりの時も。
重病に苦しむ子どもに、
余計なストレス与えるなよ、と思ってしまった。

スマホの翻訳アプリの存在、知った後で、
岐阜の山の中の年配の方を1人で尋ねる時、
そのアプリ、使わないのも違和感。
そういうアプリあるの知ってて、
知らない人と一人で話すんなら、
渡りに船、とばかりに使わんか?

主人公がフランス人であることの意味、俯瞰して考えて、
ふたつのテーマの共通するところ探すと、
「日本人の死生観、フランス人から見ると不合理やなあ」
ってことになっちゃわない?

心臓移植の時の台風は、たとえ実話ベースであったとしても、
映画に全く必要なく、
ノイズにしかならないエピソードやと思う。

なんだか、すごくがっかりした作品でした。
体制側に回ると、表現者って、
これほど、精神が痩せ細るんかなあ。

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