映画が終わっても、彼らが幸せでありますように。BBBムービー「ミックスモダン」。

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すごい映画だった。悲しい映画だった。人の温かさを思い出す映画だった。ウソのない映画だった。
全編ヒリヒリと痛い。だけど目を背けたくない。ずっと観ていたい。
映画の出演者に何もできないことは、もちろん分かっているが、
せめて見守っていたい、そう思った。

「お話」として、きれいにまとめてしまうことなく、
いろいろな問題が残ったまま映画は終わる。
何も進展しないこともあるけど、少しだけ希望が見えることもある。
すごく大きい布の、ほんの一部分だけを見ている気分。
うん、世界って、ほんまそーやもんね。
そんな簡単には変わらんよね。

特に、一度道を踏み外した人間には、世界は厳しい。
そして、誰でもほんの少しのことで、道を外れる可能性はある。
今、何事もなく少しでも「幸せ」と感じて生きてられるのは、
ほんまに奇跡かもしれない、と、映画を観ていて思った。

主人公は、生まれ変わろうともがく。
その言葉に嘘はないのだろう。
だけど、どうやったら生まれ変われるのか。
今まで、そんな生き方をして来たことがない。
過去に引き戻そうとする人もいる。
自分自身が、油断すると過去に逃げ込もうとしてしまう。
そんな彼を、辛抱強く見守ってくれる人もいる。
だけど、その人も、同じように弱い人間なのだ。
本当に、この世の中は少しのことで崩れ落ちかねない、
危うい均衡の上で、かろうじて成り立っているのかもしれない。

だけど、それでも、この世の中は、生きるに足る世界だ、
信じるに値する世界なのだ、と、確信させる以外に、
人の更生などあり得ないのかもしれない。
主人公の彼は、これからどうなるかは、分からないけど、
少なくとも、映画の終わりでは、少しだけ、
生きる希望を抱けたのだと思う。
彼の、そんなほんの少しの、だけど彼にしたら、
ものすごく大きな変化を描くだけの映画。
なんて、誠実な映画なんだろう。

フィクションだと分かっているのに、彼と、そして彼の周りの人々、
映画に出て来たすべての人々が、
どうかその後、幸せに暮らして行けますように、
と願ってしまう。そんな映画だった。

話は変わるけど、この映画は、いろいろな形の、
親子の物語でもあると思う。
子どもが欲しくても、できない人、
思ってもいないのにできちゃう人、
きちんと育てられない人、
そして、その子どもたち。

この映画は見方を変えると、
これからの家族のあり方を考える映画でもある気がする。 

今まで通りのやり方で、これほど人口減って来たのに、
やり方を変えようとしないことが不思議でならない。

養子制度でも、夫婦別姓でも、同性カップルが、養子や人工授精で子どもを得て育てる制度でも、
外国人受け入れでも、たとえ、今までの常識に当てはまらない、どんな形でも、
子どもを育てようとする人のストレスをできるだけなくす社会、
それがこれからの新しい家族関係を育てていくベースになるのではないか、と思う。

描いてるのは、すごく小さな物語かもしれないけど、
深く、今の日本のこと見つめ、
あるべき方向を探ろうとする映画だと思った。

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