神戸の西側が今、ワシ・ブーム。

ずっと行きたかったお店、
神戸の「思いつき」に行ってきた。
平日の朝っぱらから、お勤めの方には、すみません!
けど、平日の夕方くらいまでしか、
やってないお店だそうで。

JR神戸駅で待ち合わせて、
歩くこと10数分、
朝っぱらから照りつける夏の日差しに汗ばんで来て、
風に海と油の匂いが混じり始めた頃、
ものすごく控えめな看板に出会う。
こりゃ、偶然見つけるのは至難の技やなあ。

入ると「レトロ」ではなく、
本物の古い喫茶店。
窓のすりガラスがええ感じ。
その下の長椅子と小さなテーブルも
ずっと座って居たくなりそうな風情。
モニターにはBS東京の時代劇。
完璧や。
その時代劇を熱心に見てた、
かいらしいご婦人ふたりが
「いらっしゃいませ!」と立ち上がる。

「お電話くださった方?」
電話したのは納さん、
そう、このお店は、喫茶店愛好家の
納健ちゃんが、ナンバーワンに推した喫茶店なのだ。
このお店は、四姉妹がやってることでも有名で、
いらっしゃったのは、一番上のお姉さんと、一番下の妹さん。
平均年齢79歳らしい。

ワシはアイスコーヒー、
納さんと別所さんはホットコーヒーを注文。
これぞ喫茶店!というカップにグラスに、ミルクピッチャー。
150円のトーストは、バターの上に、
半分は砂糖をまぶしたもの、
この店では霜降りと呼んでいる、と、
半分は自家製の薄切りリンゴジャム。
少し甘いけど、美味しい。
食べてる間も、下の妹さん中心に、
お二人がいろんな話を聞かせてくれる。
毎日、いろんなお客さん相手に、
語ってらっしゃるのだろう、
話に無駄がなくわかりやすい。

下の妹さんから、ふと息子さんの話が出たので、
ワシが温めてたネタを披露した。
実はこの妹さんは、ワシの福岡の友達、
一緒に沖縄行ったり、橋の下世界音楽祭にも行った
クマちゃんのお母さんなのだ。
クマちゃんが連れてきてるので、
ボブとかとも面識があるのだ。
一瞬、戸惑うお母さん。
急に「キャー!恥ずかしい!!」と言い出す。
よくわからんけど、全然つながりのないお客さんに話す方が、
息子の知り合いに話すより、
なんでも話せるってことなんかな?(笑)
と言っても、お母さん方の
おしゃべり攻撃がゆるむわけではない。
少し恥ずかしがっただけで、
すぐ戦意回復!次から次へと新ネタを投入してくる。
その間に、生姜煎餅や日本茶など、
飲みもん食いもんが出てくる。
これは日本全国、おばちゃん共通の攻撃なのか?

最近、関西ローカルの夕方に放送されたという
テレビ番組の録画を見せて頂いた。
創業64年、いろんなことがあったんやなあ、
そのいろんなことを四姉妹で切り抜けて行ったんやなあ。
この辺りは海が近く、今でもちょっと歩けば、
船を修理するドックが並んでいる。
それに関連する鉄工所も多く、
四姉妹のお父さんも鉄工所を営んでおられたが、
廃業するとき、「何か始めたら?」と言う仕事仲間のアドバイスで
ほんの思いつきで喫茶店を始められた。
それがそのまま店の名前になった。
施工は船大工さんだったそう。
なるほど、あの長椅子とテーブルは
船大工の技なのだな。
開店当時は高度成長期、自動販売機も普及せず、
ましてやコンビニなんか全くない頃、
お店は、出前も含め、目の回るような忙しさで、
お嫁に行った姉妹たちも駆り出されて、
四姉妹体制が整ったらしい。
と、こう書いてるだけで、
映画になりそうな物語が浮かぶ。

テレビに出てきた、このお店の最高値商品で名物、
フルーツジュース(500円)が欲しくなり、
というより「飲んで帰らなきゃ!」
という気持ちになり、追加注文。
しばらくして、クマちゃんのお母さんが、
「ごめんなさい。いつも通り作ったのに、
ちょっと少なくなっちゃった」と言って、
持ってきてくれた。
ストローさして、飲もうとした瞬間、
「あ!忘れてた!いっぺん戻させて!」と
お預けを喰らう。
しばらくして持ってきたジュースは
グラスの縁までたっぷり入ってた。
バナナを入れ忘れたらしい。
やっぱりかいらしい!

そのうち3番目のお姉さんも帰ってきて、
今度は広島土産と言う川通り餅を
出して頂いた。
これも美味しかった。
2番目のお姉さん、この店の店主だけ、
お会いできなかったのが、少し残念。
コンプリートしたかった。
ちなみに納さんは、前回来たとき2番目とも
会っておられるらしい。
悔しい(笑)

どうやらお喋りの中心は、末娘、
クマちゃんのお母さんのようだ。
息子たちと行った(クマちゃんのことだ!)、
四国への旅行のこと、
宮島のキャンプのこと、
年上の甥っ子がいて
生まれた時からおばちゃんだったこと、
その娘さんが絵を描いておられて、
最近阪神百貨店で展覧会を開いたこと、
次から次へと話してくれる。
どれも本当に楽しそうに喋られるので、
こちらも飽きずに楽しく聴かせて頂いた。
この古いお店が阪神淡路大震災で
傷を負わなかったことを感謝した。
これも腕のいい船大工さんの
丁寧な仕事のおかげやな。

気がつけば、3時間近く時間が過ぎていた。
名残惜しいが、そろそろ参りましょう。
きっとまた来ますね!
ありがとうございました。

余談ながら、ワシの友だちのクマちゃんは、
どちらかと言うと寡黙な方だ。
なんでかな?と考えたが、
なるほど!と膝を打った。
あんだけオカンが話してたら、
クマちゃん、話す時間ないわな。
今度クマちゃんに会ったら、
オカンの話で盛り上がることにしよう。

神戸の名喫茶「思いつき」を出た後、少し海辺を散歩して、
ドックを見る。海の匂いは、こんな工場街でも、
何か心を沸き立たせるものがある。

JR神戸駅で会社に向かう二人と別れて、
ワシは新開地へ向かう。
前回売り切れで食えなかったマカロニ山盛りを
グリル一平新開地本店で食ってやる!!
執念で、神戸駅から地下道で高速神戸駅経由で新開地駅へ向かう。
着いた!…と思ったら、え!定休日??
ここまで案内してくれたグーグルマップに
しっかり「営業時間外」とある。
しまった!執念が強すぎて見過ごしていた。

しかしこうなりゃ意地や!
グリル一平の元町店を目指す。
今度はしっかり営業日も確認した。

臨時休業??
三宮店ググるとこれも定休日。
完全にランチ難民。
口が洋食口になってたワシは
飛び道具で別所さんに連絡して、
三宮センタープラザ東館地下の
グリル金プラ」を教えて頂き、
ようやく洋食ランチにありついた。

美味しかったが、グリル一平め、
次回は電話で確認してリベンジしてやる!!

それにしても、神戸の西側、おもしろい!奥深い。
またゆっくり歩きに来よう。

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