浮世絵三昧。「レスコヴィッチコレクションの摺物@大和文華館〜「広重 摺の極」@あべのハルカス美術館。
昨日、台風による雨や風が予想されてたけど、
起きてみると、雨も風も大したことなくて、
晴れ間さえ覗いていたので、奈良県まで遠征。

目指す先は近鉄学園前から歩いて10分ほどの大和文華館なのだけど、
その途中、木立から、つくつく法師の声がわんさか聞こえる。
大阪市内では滅多に聞けない鳴き声になってしまったので、
それだけで「迷ったけど、来て良かった」という気になった。

大和文華館は敷地内に季節の花々が咲いてるので、
これも楽しみに来てしまう。
開催されてた展覧会は「レスコヴィッチコレクションの摺物」。
パリ在住のジョルジュ・レスコヴィッチ氏のコレクションから、
摺物を集めた展覧会でございます。
個人のコレクションで、こんな貴重なものって、
どれだけ金持ちやねん!
摺物とは、浮世絵の中でも、販売用ではなく、
個人の注文で制作された特注品で、数も少ないし、
贅を尽くしてたりして、かなりレア度が高いらしい。
で、レスコヴィッチさん、本物の金持ちらしく、
吝嗇な気配、全くなしの全作写真OKだったので、
気になった作品全部撮らせていただきました。
前半約半分が北斎、後半のほとんどが歌川一門って感じでした。


シースルーの描写がええ。

復刻して作ってくれんかなあ。
ワシの腰につけるケードケースにしたい、
思いました。



めっちゃきんきらきん。


オシャレやと思う。

武家六歌仙て初めて聞いた。
納得のメンバーでした。


やっぱり役者絵、上手いなあ。

目がすげえ!


「なんかパッとしないな」と正直思いました。
1821年、34歳の頃の作品。

これも同じ頃。

役者絵も、豊国とかと比べるとなあ。

風景の中の市井の人物描かせると、
急に面白みが出てきた。
やはり、この人、こういう絵の人なんやな。
47歳ごろの作品。

コラボ作品。
12時から時計回りに、
歌川豊広は在原業平を、
魚屋北渓が僧正遍照を、
勝川春英が大友黒主を、
北斎が喜撰法師を、
岳亭春信が文屋康秀を、
歌川豊国が、小野小町を描く。
スーパースター競演やなあ。


2時間近くかけたのかな?
けっこうゆっくり拝見いたしました。
ここから向かう先は、あべのハルカス美術館。
ここは、火曜〜金曜なら20時までやってるので、安心です。
あべのハルカス美術館で開催中の「広重 ―摺(すり)の極(きわみ)」は、
前期に一度、来てたんやけど、後期は、ほぼすべて作品が入れ替わるらしく、
また来てしまいました。
前回の感想はこちら。
おまけにレスコヴィッチコレクションの入場券あると、割引してくれるんですわ。
なんやめっちゃ得した気分です。
確かに、レイアウトも変わってるようで、
何度も来てる美術館やのに、今、自分がどこにいるのかもわからなくなりました。
やはりワシは、晩年の名所江戸百景の大胆な構図が好きやなあ、思いました。
東海道五十三次で大ブレイクして、その後、自己模倣に陥って、スランプ、
という時代を経て、あの大胆な構図に辿り着く、というストーリーもいい。
北斎みたいな大天才を横目に見ながら、
凡人が殻を脱ぎ捨てて、独自の境地に至るってのが、
泣けるストーリーやなあ、思いました。
今回は近江八景の絵が充実してて、
知ってるのも、幾つも展示されてて、
やっぱり自分の住んでるところに近い絵ってのは、嬉しいもんやなあ、思いました。
あと、同じ絵の摺の違う作品が並べてあって、
その違いを比べるのも楽しかったです。
撮影OKの中から、印象に残ったものを。







水平取るの、下手ですんません!
やっぱり雨や雪の表現、上手いんすよね〜〜。
質感まで感じられますもんねえ。
今回も、前回と同じく、広重の箱根ベースにしたシャツ、着て行ったんですが、
やはり誰からも、何も言われなくて、残念でした。
その後、行ったとこで、すぐに
「あ!そのシャツ、浮世絵ですか?いいですね。
あ!山が猫になってる!むっちゃいい!」言われて、ええ気になりました。