「変」が染み出す、渦巻く、時間を巻き戻す。BBBムービー「愛に乱暴」。
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江口のりこさん、すげえなあ。
すごく真面目に、丁寧に、
じわじわと染み出していくような狂気を演じていて、
観てて、怖くなってきた。

最初から何某かの違和感はあった。
嘘くさいぐらい、きちんと生活して、
素敵奥様を演じ続けてるような妻。
吉田戦車さんの漫画の「お母さん、暮らし過ぎ!」ってフレーズを思い出した。
彼女の生活は「いい生活ごっこ」だったのかもしれない。
しかし、本人だけでなく、周囲にも、
何か、変なものが、毛細管現象のように広がっていく。
そして、夫の告白とともに、爆発する、違和感。
けど、その爆発も、もっと大きな名状しがたい変なものの、
一部でしかないのかもしれない。
そうか、この変なものは、夫も巻き込みつつ、
ある意味、因果応報、ある意味、螺旋状に渦巻きながら、
どんどん大きくなっていく性質のものであったか。
いや、どんどんと言うのも、違うのかもしれない。
時は行きつ、戻りつ、
どこが今現在なのかも、彼女の中ではあやふやだ。
彼女自身の「正常」が完全にあやふやになってるように。
もう、こうなると、妻ひとりの精神の問題ではないのかもしれない。
過去に傷を持つだけに、
「いい妻であろう」「ちゃんとした嫁であろう」
「褒められる人間であろう」とし過ぎて、
却って、ズレていく過程は、
よう分かるし、それなりに共感もしたりもした。
エンディングが少しあっさりし過ぎてる気もしたし、
いろいろ解決されないままの違和感もあったけど、
なんか、それはそれでいい気もした。
すべての問題が解決したからといって、
めでたしめでたしになる話でもないしな。
江口さん、もちろん良かったけど、
小泉孝太郎さんもオモロかったなあ。
今まで、ニコニコ明るいだけの人やと思って、
役者として認識したこともなかったけど、
「こんなんもできるんや」と言うか
「やるんや」と思いました。
まあ、周りの人間、いろいろ事情あるやろうけど、
「早よ、病院連れてけよ」とは思った。

