存在しないものを求め続ける人生は悲しすぎる。BBBムービー「チャイコフスキーの妻」。

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なんと業の深いことか。
舞台は19世紀のロシアだけど、
現代というフィルターを通して描いている、
今の時代ならではの映画でもあると思う。

絵作りも、演技も、音楽も、すごく、
ドラマチックで、悲劇的で、耽美な空気が漂ってるけど、
骨の部分を剥き出しにしたら、
マンタッチの一番みたいなもんやな〜と思った。

実際、六週間しか続かない悲惨な結婚生活であったようだけど、
そもそもチャイコフスキーはなぜ結婚したのだろう。
その時代の抗えない社会規範からの、偽装結婚のようなものだったのだろうか。
けど、彼女も、そのことを承知の上だったのではないか。
なのに、やはり結婚すると所有欲みたいなものが生まれてきたのだろうか。

後半の彼女は、タイトル通り「チャイコフスキーの妻」と呼ばれることに、
何よりも固執しているように思えた。
実際も泥沼のような関係だったようだが、
その最悪の関係が、チャイコフスキーの作品に、
悪い影響を与えたのか、
逆に苦悩から天才と呼ばれる芸術的作品に昇華していったのかは、
今となっては、確かめようもないのだろうな。

弟を含め、チャイコフスキーの周辺の人はみんな、
チャイコフスキーに同情的なのは、
天才やから許されるってことなのだろうか?
今のロシアの性的マイノリティの置かれてる状況を考え合わせると、
当時は、もっと酷かっただろうに、
みんながみんな、チャイコフスキーを守る立場のように描かれているのは、
現代ならではの視点なのだろうか。

最後まで、彼女の本当の望みが見えてこなかった。
チャイコフスキーの性的嗜好を知りつつも、
「私なら、その壁を突破できる」と思っていたのだろうか。
あれほど、分かりやすく拒まれても。
ないものを求め続ける一生、
それは、なんと不毛な人生だったのだろう、と、
最後には、彼女が不憫でならなくなった。

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