絡まった糸が解けてゆくのを、じっくり見つめる時間。BBBムービー「夏が来て、冬が往く」。

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男尊女卑、一人っ子政策、因習や国家の方針が、
小さな家族をバラバラにする。
それをひとつひとつ確かめるように、戻そうとする家族、
けど、バラバラになった時間の長さや、
変わっていない環境が、そう易々とは、家族の距離を縮めない。

だけど、反発したり、思い合ったりしながら、
家族と向き合うことで、
心の距離は、少しずつ隙間を埋めて行く。
田舎の町に残る数々の風習が、
その機会を作る。

絡まった糸が、ゆっくりと解けて行くのを、
じっと見つめているような、ゆったりとした時間の中で、
自分の家族についても、いろいろと思いを馳せることを、
許してくれるような映画だった。

複雑な育ち方をした主人公が、
生んでくれた家族、育ててくれた家族、
これから自分たちで作って行く家族、
自分が所属する(もしくはすることになる)三つの家族のことを思い、
それぞれを大切に思う機会を得たのだと思うと、
この映画は、中国の辛い現実を描きつつも、
そこに希望を見出そうとする、
前向きな映画だと思えてくる。

ニュースで見る政治的な側面ではなく、
一所懸命、生きよう、幸せになろうとする
中国のどこにでもありそうな家族を観られて、
その結果、自分の家族のことにも思いを馳せられて、
いい時間を過ごせた気がする。

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