「哀れなるもの」のプロローグか。BBBムービー「籠の中の乙女 4Kレストア版」。

公式サイト
「哀れなるものたち」の大成功のおかげか、
ランティモスの2009年の映画が、4Kでリバイバル上映されている。

いやあ、こっちも「哀れなるものたち」に負けず劣らず、
変態的で、おもしろい。
まるで、「哀れなるものvol.0」と言ってええくらい、
共通のモチーフのある映画やなあ。

そのモチーフは、子どもを外の世界に触れさせずに、
自分たちの世界の中だけで、思い通りに育てるというもの。

これって、源氏物語の若紫を思い起こさせるんやけど、
まさかランティモスが源氏物語、知ってるわけじゃないやろなあ。
こういうのって、ある種、世界のどこにでもある、
共通のファンタジーなんやろか。(かなり人権無視のファンタジーやけど)。

「哀れなるものたち」は、そうやって育った女性が、
外に出ていく物語やったけど、
こっちは、子どもたち(女性2名、男性1名)は、
ずっと家の中にいて、成長とともに、外の世界に興味を持っていくという流れ。
いわば、「哀れなるものたち」のプロローグみたいなものなのかもしれない。
ランティモスは「籠の中の乙女」を創ったあと、
その後を想像したりして「哀れなるものたち」に至ったんかもしれんなあ。

このシチュエーションならではの、
笑ってええのかさえわからない、
めっちゃブラックで、歪んだユーモアが冴え渡る。

当然、ほぼワンシチュエーションやけど、
ランティモスなので、説明的なセリフは、皆無。
と言うか、セリフ自体極端に少ない。
CGとかも使ってないと思われるし、
ワンシチュエーションで、セリフ少なくても、
これほど、起伏に富んだ、面白いストーリーって、作れるもんなんやなあ。
改めて、ランティモスの力量に感心した映画だった。

けど、やっぱり変態的やとは思ってしまうな。

【追記】
本当に不条理な設定なんやけど、
不条理なりに、今の時代を風刺したような側面があるので、
荒唐無稽なだけではなく、ある種の納得性があるのかもしれない。
子どもたちを穢れたこの世の中から守りたい、
という親ならではの当然の感情。
しかし、普通に考えると、親よりは子どもの方が、
後まで生きる。
このままの状況がずっと続くと考えると、
この映画の描かれてない結末は、
「子どもを世間から守り通すための子殺し」
ということになってしまうのか。
だから、あの不思議な結末に、少しホッとするのか。
う〜〜む、やっぱり変態的やな。

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