今、一番観るべき映画かもしれない。BBBムービー「哀れなるものたち」。
こりゃ、またどえらい映画を観てしまった。
好き嫌いは、分かれるかもしれないけど、
「すごい」ってことは、認めざるを得ないような映画やなあ。
予告編観て「難解な映画なんかな?」と思いながら観たが、
ストーリー自体は、全然わかりやすいし、おもろいので、
ストーリーだけ追っかけて行っても、十分楽しめる映画やと思う。
けど、そこで表現されてることの奥深さが、
観て数日経った現在、
ジワジワ染み出してきて、
観終わった時より、
今の方が、この映画を好きになってるし、
さらに「すごい」と思うようになった。
舞台は、いつの時代かよくわからないけど、
間違いなく、今の世の中に突き刺さっている。
女性が受けてきた謂れのない迫害や、男性中心社会の根拠のなさを、
こんなに楽しく比喩的な表現で、
説明的なセリフ一切なく表現してしまうとは、
恐ろしい才能もあったもんや。
それだけでなく、他者との関係性や、アイデンティティと言った
普遍的で根源的な問題も、
資本主義社会の矛盾という、今の時代に考えるべき問題も、
この映画には、込められてる気がする。
風刺的な表現で、ユーモアも込めて。
そしてエンドロールに至るまで、ビジュアル設計も、
センスよく計算され尽くしているし、
音楽や音楽かMEか判断がつかないような音設計も、
一切の妥協がないように思える。
結果的に多少、エログロい表現もあるが、
「この映画には、この表現が絶対に必要や」と思えるので、
嫌悪感など、感じる隙もない。
ちょっと落ち着いて、もう一度観たい映画やな、と思っている。
いろいろゆーたけど、単に「笑える映画」としても楽しめると思うので、
ぜひ、ご覧ください!