映画って、やっぱり芸術だったんや。BBBムービー「美しき仕事」。

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ストーリーというよりは、
長い一編の詩の朗読を、
時間かけてゆっくり聴かされたような時間だった。

1999年に公開され、2022年に「史上最高の映画」の7位に選出されていたのに、
日本では未公開だった映画が、4Kレストア版で登場した。

紅海沿岸、ジブチの混じり気のない青さの中、
すべてのカットが絵画のように思えるほど、美しい。
映画が、芸術であることを、思い出させてくれる。

ジャームッシュやゴダールという映画界きっての芸術家たちが、
褒め称える意味もよくわかる。

主人公が、過去を振り返るような構成が、
唯一、ストーリーらしいところかもしれないが、
それが、「もう届かない日々」を思い起こす装置になっていて、
さらに作品に奥行きを作っている気がした。

主人公ガルーは、上官フォレスティエへの思いが募って、
新兵サンタンに、嫉妬と羨望を感じるという話ではあるが、
本当は、誰よりもサンタンを愛しているのは、ガルーなんじゃないか、
ガルーは、今でも、そのことに気づいてないんじゃないか、
観終わって、訳もなく、そう思った。

そう感じたのは、最後のガルー役のドニ・ラヴァンのダンスが、
この美しい映画の中でも、飛び抜けて、
情熱的で美しかったからかもしれない。

映画の面白さ、奥深さを改めて感じさせてくれる作品だった。

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