敗戦の日に寄せて。宅島徳光さんという人。

先日、戦争関連の番組で、
宅島徳光さんという方を知った。
番組内で戦争で亡くなった、
主に学徒出陣で兵士になった若い方々の遺した言葉が
いろいろ紹介されたのだが、
この宅島さんの遺した言葉が、強烈に心に響いた。

気になって検索してみると、不思議なことに、
プロフィールに「軍人・作詞家」とある。
作詞家?どういうことだろうと、さらに調べると、
宅島さんの遺した、この言葉に、やはり心動かされた、
美空ひばりさんが、補作詞して、
船村徹さんが、作曲アレンジして、
「白い勲章」というタイトルで、
歌われたことを知った。

1976年に発表されたらしい。
戦後20年以上経って、なお、この歌を聴いて、
戦争で散った命に涙した人は多かったのではないか。
学徒動員で散っていった、若い命を惜しんだ人は、
たくさんいたのではないか。

「皆んな併せて たったひとり」
寂しさより、大切な人に対する気持ちの強さ、
真っ直ぐさ、混じり気のなさに、
ワシは打たれたのだと思う。

この詩のようなフレーズの前にある、
散文的な言葉も素晴らしくて、
手元に置いておきたい、
この方の他の言葉も知りたいと思って、
遺稿集「くちなしの花 ある戦歿学生の手記」という本をポチった。
ひとつひとつの言葉を噛み締めながら読もうと思う。

もうひとり、心の中には反戦の思想を宿しながら、
「国ではなく、ごく身近な大切な人のために命を捧げる」というような
言葉を遺して、散っていった大学の先輩、林尹夫さんの
「戦没学徒 林尹夫日記―わがいのち月明に燃ゆ― 」も、購入した。
そう思わなければ、意にそぐわない自分の運命に、
立ち向かえなかった、
当時の学生たちの気持ちに向き合ってみようと思う。

今日という日に、そういう思いが抱けたことを、
大切にしたいと思う。

「白い勲章」歌詞
俺の言葉に 泣いた奴がひとり
俺をうらんでいる奴がひとり
それでも本当に
俺を忘れないでいてくれる奴がひとり
俺が死んだら くちなしの花を
飾ってくれる奴がひとり
皆んな併せて たったひとり

祭り囃子が きこえる部屋に
私ひとりで座っています
それでも本当に
俺を忘れないでいてくれる奴がひとり
貴方の言葉 一つ一つが胸に
今もきこえて はなれないの
二人併せてたったのひとり

皆んな併せて たったのひとり

たぶん、2番はひばりさんが足した言葉なのだろうなあ。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA