ほぼ二人芝居、なのに退屈しない。ぜひ多くの人に観てほしい映画。BBBムービー「木の上の軍隊」。

※ネタバレあります。

公式サイト
沖縄では、先月に先行公開されてたのかな?
沖縄伊江島で、実際にあった、嘘みたいな話をベースにした、
「木の上の軍隊」を観に行った。

先日は、「摩文仁」を観に行ったし、
劇場が終わる時」は、もう公開されてるので、
観に行かなきゃだし、
今週末からは、対馬丸のドキュメンタリー「満天の星」が始まるし、
8月後半には観るのが怖いけど、「ウナイ」も観なきゃだし、
9月には、「風のマジム」と「宝島」が控えてるし、
この夏は、沖縄映画目白押しで、
沖縄行ってる暇がないくらいですわ。

ちなみに「摩文仁」の感想は、こちら。

さてさて、で「木の上の軍隊」の話に戻ります。
これは、ワシの心の故郷、伊江島で、本当にあった話。
戦争が終わったのを知らず、
2年間、ガジュマルの木の上で、援軍を待ち続けた二人の兵士の話。

元々、井上ひさしさんの戯曲で、今まで何度も映画化の話があったらしいけど、
なかなか許可が出なかったらしい。
やはり、この話は、沖縄の監督さんが演出しなければ、
ならなかったのだろう。
満を持して、沖縄の若き映画監督、
「闘牛戦士ワイドー」や「ミラクルシティコザ」の平一紘さんの演出で、
映画化が実現したようだ。
主演の二人と外国人役以外、出演者も、ほとんどウチナンチューらしい。

そして、映画の中身の話。(前置きが長くてすんません!)
ほんまに、面白かった。
ほとんどが、同シチュエーションでの二人芝居って聞いてたので、
2時間ちょっと、持つのかなあ、思って観に行ったけど、
最後まで、全く退屈することがなかった。

とにかく二人のお芝居が素晴らしい。
最初は内地から来た鬼上官と、伊江島から出たことのない新米兵の、
絶対服従関係なのに、それが少しずつ変わっていく。
新米兵役の山田裕貴さんが、食べられるものや、ハブなど、
地元の情報に詳しいこともあるだろうけど、
それだけではない気がする。
お互いがいなければ、生きていけないような極限の状況が、
二人の関係を、友情以上のものに変えていくのだろう。
もちろん、二人にとっては、まだ戦争中の明日をもしれない状況なので、
必ずしも気持ちがいつも同期するわけではなくて、
心の距離が遠くなることもあるけど、
二人でなければ、生き延びれなかった、というのは間違いない気がした。

それにしても山田裕貴さんのウチナーグチの完璧さ!
ワシには全く違和感がなかったけど、
ワシは、所詮、内地に住んでるナイチャーなので、
沖縄に住んでる人や、ウチナンチューにも聞いてみたが、
違和感を感じた人は、一人もいなかった。
素晴らしい。

映画には、もちろん、戦争シーンもあって、
兵士だけでなく、民間人も、巻き込まれていく。
唯一の地上戦、沖縄戦ならではの、
普段の生活の中に、戦争が襲いかかる様子が、
恐ろしくなるくらいリアルで、
その中で生き延びることの難しさが、
痛いほど伝わってくる。
敵の気配に怯えながら、食料を確保する恐ろしさ、
観てるだけで、精神的にも、かなりきついシーンも、
いくつもあった。

それだけに、ソテツの実を食糧にするために奮闘する、
ある意味、生活を感じるシーンにホッとして、
束の間の笑顔が、溢れたりもした。

映画観終わって思ったのは、
「この映画は、沖縄が舞台じゃないと成立しなかったのだろうなあ」
ということ。
キジムナーが住むと言われる、巨大なガジュマルだから
確保できたであろうスペースがあったことも、もちろんだし、
史実としても、他の地域では成立しないのだが、
それ以上に、生と死の境が、混じり合うような沖縄の風土が、
この映画のベースにあるんじゃないか、と思う。

映画にも、亡くなった人と語り合うシーンがあるが、
あれは、夢ではなく、実際、目にしたことなのかもしれない、と思えた。
もしくは、夢と現実の境界を彷徨うような。
それを観たのが、ナイチャーの上官ではなく、
ウチナンチューの新米兵だったのも、
たぶん、そういうことなんだろうな、と思う。

沖縄戦で亡くなった兵士を、きちんと彼らに近寄ることなく、
「英霊」と持ち上げるのは、自分の中でも物語としては、
快感なのかもしれないけど、
実際に、沖縄戦を戦い、血みどろになりながら、
生き抜いた兵士のことも知ってほしいと思います。
この映画だけで語り尽くせるほど、沖縄も沖縄戦も簡単ではないけど、
ぜひ、多くの人に観てほしい映画だと思った。

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